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「EA(米国税理士)」
「EA(米国税理士)」
「EA(米国税理士)」とは?
弁護士、会計士と並びアメリカの国家資格として認められているにも関わらず、その割りに認知度の低いEA(米国税理士)。だがグローバルスタンダード(国際標準化)の時代に、これだけ実用性、実務性に富んだ資格はない、とも言われる。
日本では通常、給与所得は源泉徴収されるが、米国では個人ベースでの申告が必要。米国ではこうした申告代理業務を弁護士や米国公認会計士(CPA)も行う ことができるが、州政府交付の資格であるため業務を行うにはIRSへの登録が必要となる。これに対し、EAの免許は米国の連邦政府から交付されるため、全米で業務を営むことができる。また最近は日本でも企業活動の国際化が進み、米国の税制に精通したEAのニーズが拡大。米国に拠点を持つ企業や、こうした企業を支援する会計事務所、税理士事務所等で能力が発揮できるだろう。
日本でも受験出来る唯一の米国資格であることも特徴だが、日本での取得者はまだ少数(世界にEAは3万人程度いるが、日本人EAはまだ150人ほど)であるので、CPAや日本の税理士資格と併せて取得すれば活躍のフィールドは更に広がる。希少価値のある日本人EAは、アメリカ税務の専門家を求める企業や会計事務所等にとって大切な人材といえるだろう。 今後、日本人受験者の急増も予想される。今がチャンスとの声も多い。
経験や実績を積んだあと、期待できる年収は日本円で700万円以上。 資格取得者が就く事ができる具体的な実務としては以下のようなものが挙げられる。 海外駐在事務所、支店での勤務。現地法人の設立、解散、清算。現地駐在員の税務報告。日本法人の米国進出に関する税務コンサルタント。(以上、法人) 相続、贈与、資産の取り寄せ、退職年金の取り扱い等。国際投与コンサルティング。ファイナンシャル・プランニング。株式投資、不動産投資等。日米の税制の違いを活用したプランニング。(以上、個人)
EAの資格試験は毎年9月か10月、年1回行われる。 試験内容は、パート1(所得税)、パート2(個人事業所得税、パートナーシップ税)、パート3(法人税、相続・贈与税等)、パート4(倫理等)の4科目。問題はすべて選択式だが、形式は正誤問題、4者択一、4択の計算問題と3つのセクションに分かれている。 合格点は各科目とも満点に対して60%以上。科目合格制が取られているが、初めて受験する人は、まず4科目すべてを受験しなければならない。また科目合格を繰り越すためには、毎年必ず全不合格科目を受験し、合格最低点の90%以上の得点が必要である。もしこの条件が満たせなかった場合は、合格実績が取り消されることになる。 受験料は全科目受験で55USドル。科目受験で45ドル。全体の合格率は約3割と言われる。
提供:ProX J 文:杉浦大介