プロックスJ インタビュー
延原 正敏氏
Director
Marketing & Sales Support Dept.
Corporate Planning & Administration Dept.
マーケティングとコーポレイト・プラニングの二つの重要な部署を兼任し、営業企画、サービス開発、人事、総務、法務を含む広範な業務を日々こなしている延原氏。「その場その場で真剣に勝負していくしかない」と言い切る延原氏からは仕事への強い情熱が伝わってくる。反面、米国人を含む7人の部下たちとは、一日一回必ずコミュニケーションをとるなど、部下への優しい気配りも欠かさない。仕事への厳しさと部下を気遣う繊細さを持ち合わせた延原氏。バランス感覚に長けた、まさに理想的な上司と言えるのかもしれない。
「感度のいい人」は採用されやすいですね。あらゆる状況下で、常識的な判断を下し、機転をきかせて対応できる能力、その場で必要とされるものを即座に感じ取って臨機応変に動ける人材は貴重です。米国での事業においては新人教育までなかなか手が届かない場合も多いですが、「感度のいい人」は、業務に比較的スムーズに溶け込んでいけるようです。
カスタマーサービスには丁重な接客力、企画にはロジカルに物事をとらえる能力など、各ポジションによって求められるスキルや能力は異なります。よって、与えられた自分の持ち場をしっかり守り、やるべきことを自発的に考え、行動できる人材は心強い。また、急速に進化する今の時代には、スピーディー、そして柔軟に仕事を進めていく能力も問われています。一方で、自分の専門分野に固執するのではなく、他の部署の人たちとも価値観を共有でき、チームで仕事を推進できる適応力も大切です。自分のやり方や哲学にこだわって、自分勝手に仕事を進めてしまう人とは仕事がしづらい。やはり組織ですから、会社の方針や周りの意見を尊重できる協調性、視野の広さは欠かせないでしょう。
私の持つ部下の理想像は「何でも相談してくれる人」。気軽に相談してもらい、相互の知恵や考えを出し合いながら、一緒にベストなアウトプットを達成する、というプロセスが理想です。相談の内容やタイミングも重要ですよね。課題を放り出されても困る。ある程度自分の考えをまとめて相談してほしい。また、100%完璧に仕上げたスタンスで相談されるよりも、中間地点での報告を求めますね。これにより、意見交換や軌道修正も可能で、効率的に業務を進めることができますから。
私自身も、なるべく部下の視線に立って毎日話しかけるなど、心を開いてもらえる環境作りに努力しています。心の中に問題を抱え込んでしまうとストレスもたまりますし、仕事のクオリティーにも大きく影響してきます。さらに、部下のモチベーションや仕事の能率を向上させるためにも、業務の背景にある事情説明になるべく時間を割くよう心がけています。「会社の状況がどのようになっており、なぜこの業務が求められ、それがどのように役に立つのか」を明確に説明する。これにより部下一人一人の目的意識やミッションが明快になり、仕事への意欲も高まります。そして、優れた結果を生み出し、会社に貢献した人は、心からほめてあげる。とても大切なことだと思いますね。
米国社会における管理職には、問題解決に向けた自らの意思やアイディアをベースに、部下に具体的な方向性や指示を出せる力強いリーダーシップ能力が求められています。特に米国人部下には、日本のように「なんとなくこんな感じで」という曖昧さが通じないケースも多々あります。一方、組織として躍進していくためには、他部門とのスムーズな連携プレーも必要不可欠です。よって、他部門との仕事の噛み合いを調整するマネージメント業務も管理職の重要な任務です。
最後に強調したいことは上司、部下、お客様を問わず「周りの人の意見に耳を傾けること」です。自分の信念を押し付けたり、一人よがりになると、仕事はうまく進みません。また、独自の考えだけで組み立てるロジックは線が細い。物事には色々な見方、やり方、価値観がありますから。だからといって自分をなくすというわけではありません。逆に自分の信念を補強修正する上で、他の人の意見を謙虚に受け入れる。つまり、周りの意見を自分の中で咀嚼することにより、自分の信念やロジックが、より強力なものになっていくと信じています。
年齢/34歳
出身地/岡山県
出身高校/岡山操山高校
出身大学/立教大学
座右の銘・信条/あえて持たない。
理想の経営者:特になし
私の健康法:スポーツ(ゴルフ、ジョギング、スカッシュなど)
NY在住歴/6年