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2005/04/04
Vol.80  移民法に関するよくある誤解10例-後編

今回は前回に引き続き、皆さんの多くが同じ誤解をしているケースについての10例のうち後半の5例を紹介いたします。
6.(質問) 私はアーティストであり、アーティストビザを申請できると聞きました。そのようなビザがあるのですか?

(答え) いいえ

いわゆるアーティストビザと呼ばれるようなビザはありません。一般に言われているアーティストビザにはO-1ビザが最もあてはまるかもしれません。このビザは科学、アート、ビジネス、スポーツ、教育などの分野で並外れた能力を持つ人に対して発行されるものです。もっとも誤解が多いことの一つに自分がアーティストと呼ばれていればそのアーティストビザを取得できると思い込んでいることです。一般にO-1ビザの発行はある分野においてトップの地位に立つ人が資格条件を満たします。たとえば記事を提供したり、輝かしい賞を受賞したり、またはその分野のトップや関係者から高く評価されている場合は、O-1ビザの資格を満たすと見なされるかも知れません。O-1ビザはアーティストに限ったビザではありませんがアーティストも条件が揃えばO-1ビザを申請できるでしょう。


7. (質問) もしアメリカの不動産を購入するかアメリカに多額を投資すればE-2ビザを申請できると聞きました。これは本当でしょうか?


(答え) いいえ

E-2ビザ取得は単に投資を行うだけで可能となるものではありません。多くの人がもしアメリカの銀行に$300,000を預金すればアメリカに投資したことになり、E-2ビザ取得のための条件を満たすと勘違いしているケースがあります。ここで具体例を挙げますが、まずあなたは日本国籍をもつ外国人だとしましょう。まず注意する点は投資を考えている業界に応じて相当する投資額は様々であるということです。さらにその投資金は活動的(アクティブ)なものでなければなりません。例えば単なる移住用住宅や土地の購入、銀行への資金移動、証券への投資等は非活動的な投資となります。一方ホテルやアパートに投資を行い、アメリカ人従業員を雇用し活発な活動を行っている場合などはその限りではありません。ここで言う投資金とは例えば$300,000であればすでに投資されているかまたは投資予定(この場合投資を証明する契約書等が必要)のもので確実な場合に限ります。更にその$300,000という金額がある分野において相当額であれば、次は申請者本人が重役または管理業務を行うための特殊技能を持っていることを示す必要があります。それらをもとにしてE-2ビザ申請は在外米国大使館・領事館または米国の移民局に対して行うことになります。


8.(質問) 私は現在永住権保持者ですが、日本へ戻らなくてはならなくなりました。たとえ日本へ帰ったとしてもその後半年に一回約一週間ほどアメリカへ来ればその永住権を維持することができますか?

(答え) 厳密にはいいえ

法律はより複雑です。基本的にあなたの永住権を維持するためには、アメリカへ入国するたびごとにアメリカに永住する意思があることを示さなければなりません。明らかなことですが、もしあなたがアメリカで生活し、生計を立てているのであれば、たとえ休暇などで1ヶ月ほどアメリカを離れていたとしても問題なくその永住権をもとにアメリカ入国できるでしょう。もしあなたがアメリカを6ヶ月以上離れ、一時的にアメリカに入国し1週間だけ滞在するだけと言うことであれば永住権の維持が難しくなります。この問題を一時的に回避する方法としてRe-Entry Permit(再入国許可証)の取得があります。それは2年間有効で、状況に応じて更に2回目の申請として2年間有効な再入国許可申請が可能となります。それを所持していれば質問のような状況でも入国には問題ありません。従ってこの場合、ある決まった期間アメリカに滞在しなければならにと言う規則はないことになります。ただし通常6ヶ月以上アメリカを離れた後アメリカへ入国する際は入国時に厳密なチェックがあります。

9.(質問) もしアメリカの市民権を取得したら自動的に日本の国籍を失うと聞きました。これは本当なのでしょうか?


(答え) いいえ

私たちは日本の移民法の専門ではありませんが私たちの解釈ではアメリカの市民権を取得する際、日本国籍の放棄を在米大使館・領事館に報告しなければなりません。従って日本国籍の放棄は自動的に行われるものではないということです。ここで問題となるのは日本人として2重国籍を保つことです。アメリカは2重国籍を認めている一方、日本は認めていません。従って2重国籍をもってアメリカに滞在することは問題がない一方で、日本ではそうはいかないことになります。この件に関しては私たちは専門家ではありませんのでぜひご自身で日本政府の専門部署に問い合わせていただくことを勧めます。

10.(質問) 現在私はビザウェイバーにてアメリカに滞在しています。聞くところではもしアメリカを一時的に離れ、カナダかメキシコに行って戻ってくれば更に90日間の滞在が可能になると聞きました。これは本当でしょうか?

(答え) いいえ

通常アメリカからカナダ、メキシコへの30日未満の渡航は既に所持しているI-94がそのまま維持されます。例えばアメリカ入国後60日目でカナダまたはメキシコへ渡航するとしてもそのI-94の有効期限は引き続き残り30日となります。もしそのI-94の有効期限を過ぎた場合アメリカへの再入国が認められるかどうかは入国審査官の裁量に委ねられることになります。つまりアメリカに観光で既に90日を過ごしている状況でさらに観光を目的としたアメリカ入国に対して審査官を納得させることができるかということです。最近私たちはI-94が有効期限を過ぎていないにもかかわらず、新しいI-94を取得したと言う話を良く聞きます。これは法律上はありえないことですが、最終的な判断が入国審査官であり、彼らを説得できたり、または間違いにより更に90日間有効なI-94を取得できることもあるでしょう。しかしI-94が取得できたとしても新しいI-94の取得は自動的に行われることではないことを考えると、新しいI-94を取得できたということは運が良かったことだと解釈してください。
弁護士 デビッド・シンデル
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