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2005/10/03
Vol.92  ビザスタンプの期限と滞在許可期間の違い

私たちが受ける様々な質問のうち、特にビザスタンプの期限と実際のアメリカ滞在許可期間の違いについて同じような誤解をしているケースが多くあります。今回はこの違いについて解説したいと思います

アメリカに入国する際に入国審査官に滞在の目的や期間を伝えると、入国管理官は入国目的に応じた滞在期間を決め、I-94という小さなカードにその滞在可能な期間を記しパスポートにホッチキスで止めます。I-94は飛行機の中で書き込む出入国記録カードで、ビザを持っている人は白色、ビザウェイバーの人には緑色のものとなり、アメリカの滞在を決める大変重要な書類です。しかしながらこの小さなカードがアメリカ滞在中は非常に大切な書類である事を意識している人はそれほど多くないのが現状かもしれません。

I-94はアメリカを出国する際に回収され、移民局によって入国日と出国日が管理されます。このカードに“WT”と記されている場合はビザウェイバーで入国を意味し、滞在期限の延長やアメリカ国内でのビザの申請は出来ません。“D/S”はステータスが有効である限り滞在可能という意味で、ステータスが切れてしまうと同時に不法滞在となるので注意が必要です。例えばF-1ビザなどで米国へ入国した際にはI-94にはD/Sと記されるため、この場合、有効なI-20を保持していればF-1保持者として学生である限り滞在が可能となります。いわゆる学生とは学校側が学生であることを認め、いつでもI-20を発行してくれる状態のことを言い、たとえビザスタンプの期限が切れていてもこの状態であれば不法滞在とはなりません。逆に名前だけの学生で欠席が多かったり、中退した場合、パスポートのビザの期限が有効でもI-20をキャンセルされる可能性があり、またそうなった場合は不法滞在となります。学校側は移民局に対して定期的に各外国人学生に関して報告する義務があり、こういった退学処分の旨の報告が当局で正式に受け取られた時点で学生ビザは無効となります。

またEビザなどで入国した場合には通常2年間の滞在許可をもらえます。しかし状況によってはその期限になる前にビザが切れてしまうケースが考えられます。たとえば2005年12月10日まで有効なEビザを持つAさんが2005年2月4日にアメリカに入国し、2年間の滞在許可をもらったとします。 12月10日がやってきた時点でAさんのパスポートにあるEビザは切れてしまいますが、不法滞在にはなりません。滞在許可は2年後の2007年の2月3日までなので、それまでは合法的に滞在が可能というわけです。ただし仮に2005年の12月15日から1週間、会議のため東京に行くために出国した場合、再入国する際には必要な新しいビザスタンプを取得する必要があります。

簡単に例えると、ビザスタンプはアメリカへの入国する際の通行手形のようなもので、I-94が滞在許可書と言えます。1997年4月1日以降、I-94に許可された期間を超えて米国に不法滞在した場合、その不法滞在期間が180日以上1年未満の場合、離米した日から3年間、不法滞在期間が1年以上の場合、離米した日から10年間米国への再入国を認められません。駐在員の家族が気づかないうちに不法滞在になってしまっているケースもあるので、滞在許可期限には注意が必要です。
弁護士 デビッド・シンデル
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