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2006/08/07
Vol.112  移民関税執行局(ICE)の最新情報

ICEは不法雇用に関し、その違反者に対して行う行政上の尋問及び罰金に関する旧システムを撤廃し、刑事告発と資産没収の両方を組み込んだより強化された新システムを取り入れました。ICEは違反に対する制裁措置として行政上の罰金(制裁金)に頼る傾向にあったこれまでの移民局の対応とは異なり、現在ではそれ以上の刑事上の対応及び調査を行っています。その裏づけとして米国議会は国会においてそのWorksite Enforcement(現場での法執行)についての宣誓証言を受けました。

この件に関してはホワイトハウスはプレスリリースを出しており、まとめたものを次に紹介します。
Worksite Enforcementを通して行われる刑事違反に対する逮捕(ICEの新しいアプローチとしてはもっとも有効で最善の方法)は著しく増えました。これら刑事上の逮捕は99年度の24件と比較すると04年度は160件、05年度は176件、そして今年度はこれまでで最高の382件に及んでいます。またそれに伴う起訴手続きや刑事上の有罪判決の数も増えています。そこでこの増加に関していくつかの具体例を挙げてみます。

* 06年4月、ICEは単独の企業としてはこれまでで最大規模のWorksite Enforcementを実施し、外国人を不法に雇い入れ、かくまっていたIFCO Systems North Americaの現職及び元マネージャー7人が逮捕されました。更に1,187人に及ぶ不法外国人労働者も逮捕されました。

* 05年10月から06年3月にかけてWorksite Enforcementに対する調査結果としてICEは2,100人を超える不法外国人労働者を逮捕しました。更にICEは雇用主側から数百万ドルにも及ぶ現金および資産を押収しました。

* 05年、連邦捜査員は“Operation Rollback“(現場における不法外国人労働者とその雇用主の摘発)を実施し、Worksite Enforcementを通した刑罰としては結果的に過去最大のものとなりました。更に12件の雇用主に対し数百人にも及ぶ不法外国人労働者が逮捕され刑事上の有罪判決にいたる結果となりました。またこのOperation Rollbackを通して得た和解金及び押収金の総計1,500万ドルは過去8年に押収した制裁金の総計より多いです。

* 昨年はWorksite Enforcementに対してこれまでの2倍の予算がつき、07年度予算案では新規に4,170万ドルの予算とICEによるWorksite Enforcement強化のため171名の連邦捜査員の追加召集が求められています。

このようにICEによる違反者に対する直接の取り締まりが強化されている一方、不法雇用を未然に防ぐためのパイロットプログラム(試験プログラム)が提案されています。このプログラムは自主的なものでオンライン上で雇用者の資格を照合するプログラムです。それにより雇用主側は連邦のデータベースに備えた情報をチェックすることによって新規に雇用する労働者の情報を確認することができます。

国土安全保障省(DHS)は“No-Match”規則を提案しました。この規則により雇用主側は簡単に新規雇用者の労働資格の確認をすることができ、政府側としても雇用主側が故意に不法外国人労働者を雇っていることを確認し違反が発覚すればすぐに摘発することができます。事実、雇用主より提供されている数百万ものソーシャルセキュリティー番号は社会保障庁(SSA)のデータベースのものとは一致しません。もし雇用主が正確ではない情報をもとに不法に10人以上の外国人を雇っている場合、SSAは雇用主に“No-Match”レターを送付します。そのDHSの提案した”No-Match”規制には雇用主が“No-Match”レターを受け取った時など、移民法をもとにした雇用主側の責任義務が示されています。SSAのデータベースと雇用者によって提供される情報との間にある相違を無視し故意に不法外国人労働者を雇っている雇用主がすぐに明らかになることでICEも簡単にそれら違反者を摘発することが出来ます。
弁護士 デビッド・シンデル
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