ビザアドバイス
2006/12/05
Vol.120 ビザスタンプの取得に関する心構え - その2-
前回に引き続き、ビザスタンプ取得に関する心構えに関するQ&Aをお伝えいたします。更に今回はNTA出頭令状についても簡単にお話いたします。
前回もお伝えしましたとおり、移民局より非移民ビザの認可を受けた人の中には日本の大使館・領事館でのビザスタンプ取得は移民局からの認可が下りてさえいれば簡単であると誤解している人が多くいるようです。そこでよくある質問のうち、最後の一つを紹介いたします。
質問: はい、大使館・領事館でのビザスタンプ面接には十分な準備と心構えが必要であることは良くわかりました。ただ仮に自分で準備したとしても、問題となった時点で弁護士に助けを求めることができますよね。
答え:ビザスタンプを発行するかどうかの最終的な決定権は弁護士ではなく、大使館の審査官にあります。皆さんの面接での第一印象がほとんどのケースにおいて結果を左右する重要な要素になります。従って審査官の決定を後から覆すことは簡単なことではありません。一般的にお客さんの面接は一発勝負的な部分が大きく、一旦面接に問題が発生したら流れは悪い方向に進み、結果的にはビザスタンプは却下され、移民局の認可も放棄されてしまいます。従って仮に弁護士が手助けを引き受けたとしても、悪い印象を覆すのは至難のわざと言っても過言ではないでしょう。仮に最初の面接の後その印象を覆すことができたとしても数ヶ月もの時間を要する場合があるだけではなく、結果として好ましい結果が出ないこともあるということです。
繰り返しますが、ビザスタンプ取得を軽視しないで下さい。しっかり準備し、場合によっては専門弁護士等に依頼するのも重要となるでしょう。あなたや友達は数回はビザスタンプの準備をしたことがあるかもしれません。しかし専門弁護士は日々ビザスタンプのケースに携わっているのです。最近では特に大使館で問題が発生したということを良く聞きます。皆さんがビザスタンプ取得をより真剣に考えていただくことを切に願っています。
Notice to Appear - NTA出頭令状
米国移民法弁護士協会(AILA)による最近の警告によると、移民局は主に米国内での家族を基にした永住権申請審査の際、その永住権受益者が正当な有資格者であるかどうか以前にも増して入念に調べているということです。更に最近の移民局発行の覚書にはNTA出頭命令状の発行に関する訴追裁量の実行についてもその綿密な審査手順が明示されています。NTA出頭令状とは移民法裁判官が米国内で移民法不正等行っている外国人に対して国外追放や強制送還の手続きを開始する前に出頭を命令する通告です。
しかし移民局も状況に応じていつでもNTA出頭令状を発行する権限があるということを心に留めておいてください。AILA定例会議等で移民法弁護士等各関係者に通達された発表内容の中に米国に不法滞在している外国人のビザ申請により及ぼされる悪影響に乗じ、このようなケースにあてはまるクライアントにアドバイスをする際はこの移民局に与えられている権限がこれまで以上に実施の方向にあるということを前提にケースが考慮されるべきと注意が促されています。
繰り返しになりますが、特に家族を通して永住権申請(I-130申請)を行う際、永住権受益者が不法にアメリカに滞在している場合はとりわけ注意が必要です。移民局はこれらケースの申請審査をこれまで以上に注意深く行い、ケースによっては将来的にはより積極的に永住権受益者にとっては好ましくない訴追裁量を実施し、NTA出頭令状を発行するケースが増えるであろうと言われています。
弁護士 デビッド・シンデル
http://www.swlgpc.com/
http://www.swlgpc.com/