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2007/06/04
Vol.131  米国移民法弁護士会(AILA)会議からの情報-その1

2007年3月、定例の米国移民法弁護士会(AILA)会議がワシントンDSで開催されました。私もその会議に参加したのですが、今回はその会議で話題となった興味深い内容を3週にわたりいくつか紹介します。

I-129非移民ビザ申請に関し、現在移民局は申請書の受付けをカリフォルニアサービスセンターとバーモントサービスセンターの2箇所にて行っております。どちらに提出するかは殆どのケースにおいてはビザ受益者の居住地または就労する会社の所在地に応じて決められています。ただし今後移民局はコーポレート単位の申請に関しては、移民局での審査の効率性を考慮し、全米中に支店がある場合など会社の所在地に関係なく、一箇所のサービスセンターで申請を受付け、審査することになるでしょう。

移民局の発表では現在移民局は約81,000件の未処理の申請書を抱えており、今後その数は更に増えると予測しております。このことによりこれまで以上に審査期間の長期化が予想されます。それを補うために移民局は現在、移民局への申請費用をこれまでの約80%値上げする提案をしており、これにより審査の遅れを取り戻すことができるとしています。今後の動向に注目です。

市民権申請に関し、現在261,000件の申請がネームチェックの影響で審査中のままとなっています。ネームチェックは市民権申請審査の過程でFBIにより行われます。このネームチェックには大変時間がかかっており、場合によっては数年かかる場合もあります。このネームチェックには効率化が求められており、現在移民局はFBIと協力しこの効率化を進めていいます。

これまでEADカード(就労許可書)を申請し90日以上経過してもEADカードが手元に届かない場合、地方移民局へ出向くことでEADカードを取得することができました。しかし現在ではそれはできず、移民局へ直接電話連絡し解決しなければなりません。

RFEに関して移民局のMichael Aytes氏より興味深いコメントがありました。世間一般にはKickbackとも言われるこのRFEとは、提出したビザ申請に関し、移民局より追加で情報や書類が求められる質問状のことです。ただここ最近、その質問状の内容を見ると、いわゆるBoilerplateとも言うべきとても一般的で、他の様々なケースで同じ内容の定型の質問内容を目にしていました。そこで今後移民局審査官の審査状況調査においてこのBoilerplateによるRFEが考慮されることになり、もし移民局がこのような質問状を多く出すようなことがあれば審査状況調査にマイナスの要素となることとなりました。このことにより、厄介な質問状が今後減ってくることが期待されるでしょう。

以前、移民局はJ-1やF-1ビザ保持者が、10月1日より新規にH-1Bを基に就労するためH-1Bビザへの米国内でのステータス変更申請する場合、仮に新年度である10月1日より前にそれらビザの有効期限が切れてしまうとしても有効期限からの10月1日までのステータスのなくなる空白の期間を埋め合わせし、米国内でのH-1Bへのステータス変更を認めてきました。しかしここ数年移民局はそれを認めておらず、今会議においてもその点については明確な予定は打ち出されませんでした。そのことから現時点ではもし空白の期間がある場合のH-1B申請者は米国内でのステータス変更は認められないことになり、仮にH-1Bそのものは認可されても、合法的にH-1B保持者として米国で就労するためには一旦米国外へ出て、ビザスタンプを取得し、H-1B保持者として再入国する必要があります。
弁護士 デビッド・シンデル
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