ビザアドバイス
2007/12/03
Vol.146 「ノー・マッチ・レター」 その3 - 通告を受けてから93日以内に報告 -
SSAやDHSからの手紙を受け取って90日以内に矛盾が解消できない場合、雇用者は新しいI-9雇用確認申請書を作成し、その従業員の就労が可能であることを再確認しなければなりません。I-9は、初めてその従業員を雇用した時に作成したI-9と同じ手順を踏む必要がありますが、例外もいくつかあります。
・ 従業員が新しいI-9のセクション1を、雇用者がセクション2を、SSAまたはDHSからの通告を受け取ってから93日以内に完成させなければならない。
・ 雇用者は、労働許可や身分の証明のために、DHSの通告に引用されている資料(またはそういった資料のレシート)や、SSAからのノー・マッチ・レターが対象としているソーシャルセキュリティー番号を含む資料(またはそのレシート)を使用することはできない。
・ 従業員は、身分証明または身分と労働許可の証明のために、写真つきの資料を提示しなければならない。
・ 新しいI-9は、オリジナルのI-9と一緒に保存されなければならない。
新しいI-9によって雇用者が従業員の就労の正当性を証明できなかった場合、雇用者はその従業員を解雇するか、もしくは労働が許可されていない外国人を雇用し続けることで、DHSから「疑わしい意図」を持っているとみなされたり、罰則を科されるといったことを強制されるリスクを背負うか、どちらか選ばなくてはなりません。最終規則によると、雇用者がある特定のケースについて疑わしい意図があるかどうかは、「対象となる状況の全体像」から判断されます。雇用者は、従業員が米国での就労が許可されていないという確証(従業員本人が認めるなど)がない限り、全ての審査が終わるまで従業員を解雇することはできません。
注目すべき点は、従業員が雇用者に対し労働証明やビザ申請のためのスポンサーシップを求め、その従業員の就労が違法だと発覚した場合、その従業員のステータスに何らかの疑わしい意図があったことになるということです。従業員の就労が認められていないことを知っていた雇用者が申請を行った場合、またはその申請の内容に就労を証明する手続きの際に雇用者から提出された情報との間に食い違いがあった場合(例・申請用紙Section-1の米国市民権または永住権であるという情報など)、その従業員の雇用を打ち切らない限り、雇用者は確信的な雇用、またはその雇用に「疑わしい意図」があったとみなされます。
結論としては、もし会社が疑わしいステータスの従業員を雇用していて、虚偽のソーシャルセキュリティー番号を使っていたためにDHSやSSAから通告を受け、それでもステータスの確認やその従業員の解雇といった解決策を即座に投じなかった場合、DHSから厳しい罰金や刑事処分を課せられる可能性があります。雇用者が労働証明を作成し、その中の情報とI-9との間に食い違いがあった場合、雇用者へはほぼ自動的に法的責任が課せられることになります。
こうした新しい規則を理解し、I-9の記録をきちんとした形で保存しておくことは非常に大切です。私たちは、雇用者の皆さんが、この規則について担当の移民法専門弁護士と話す機会を持たれることをお勧めします。弊社でも、ソーシャルセキュリティー番号の不一致やI-9に関する研修を行っていますので、雇用者の方々が急増しているICEによる強制捜査に対して万全に備えるの最適です。ご準備はお早めに。
弁護士 デビッド・シンデル
http://www.swlgpc.com/
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