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2008/09/15
Vol.160  2009年度新規H-1B申請のCap Gapに関する最新情報

米国移民局は2008年4月18日、2009年度新規H-1Bビザ申請者で申請書類がランダムセレクション(無作為による抽選)によって選ばれたF-1ステータスの申請者に対して、一定の条件を基にアメリカ国内でのF-1からH-1Bステータスへのステータス変更を認めると発表しました。

この特別処置は2008年4月8日に発表された暫定的最終規定に基づいており、ランダムセレクションによって選ばれたF-1ステータス申請者の滞在期間について、仮に就労開始の2008年10月1日までの間にステータスのないGap(空白の期間)が生じている場合において、そのF-1の有効期限から H-1Bによる就労開始日である10月1日までの間を自動的に埋め合わせ、延長するというものです。この滞在期間を延長するためには、2009年度のH-1B ビザ(2008年10月1日就労開始)を申請していて、申請上、アメリカ国内でのステータス変更届けを申請している必要があります。ただし、その後移民局によりH-1B申請が正式に受領されなかったり、受領されても申請が却下となったり、また申請が無効となった場合、更には申請者のステータスに違反が発覚した場合は、その時点でこの特別処置による滞在延長は終了します。

ただこの規定は2009年度の新規H-1Bビザ申請受付終了後に発表されたため、ここ数年の移民局による対応から、申請上、多くの申請者がアメリカ国内でのH-1Bへのステータス変更願いをしていませんでした。その代わりF-1の期限からH-1Bによる就労開始日までステータスのない空白期間が生じるF-1申請者は一旦アメリカを出国し、米国外の大使館・領事館でH-1Bビザ査証を取得し、アメリカへH-1B保持者として再入国することを前提に大使館手続き願いという形で申請していたことでしょう。

そこで移民局は2009年度の新規H-1Bを申請しランダムセレクションで選ばれたF-1ステータスの申請者については、H-1B申請書類の受領書発効日から30日以内に移民局に対してステータス変更願い申請に変更する旨のリクエストを報告すればその申請をステータス変更申請とする決定を致しました。

米国外の大使館・領事館での手続きの代わりにアメリカ国内でのステータス変更願い申請に変更するためには、雇用主(もしくは雇用主と同様の権限のある代理人)が審査中の申請書類のある移民局のサービスセンターに受領書発行日から30日以内にEメールにてリクエストする必要があります。各サービスセンターにこのステータス変更願いのための特別なEメールアドレスが設けられていますので下記ご参照ください。また、このEメールアドレスは移民局のウェブサイトにも掲載されています。雇用主または代理人は移民局から受領書が届き次第、ステータス変更願いのEメールをすべきでしょう。そうすれば移民局の審査官がH-1B申請書類の審査を終える前にステータス変更届けを受けとることが出来ます。そのステータス変更願いには受領書番号、雇用主とビザ受益者の名前、誕生日、I-94(出・入国記録)の番号、そしてI-20に記載のあるSEVIS番号を記載しなければなりません。受領書が正式に届く前はサービスセンターに問い合わせないよう移民局からはアドバイスされております。また申請者の中には既に認可を受けた人もいるかもしれません。今回の措置では仮に認可を受けた後でも期限内にリクエストを行えば、変更願いは可能であるとしております。

各サービスセンターのEメールアドレス

■Vermont Service Center
 ・プレミアムプロセス申請:VSCPPCAPGAP.Vscppcapgap@dhs.gov
 ・プレミアムプロセス申請以外:VSCNONPPCAPGAP.Vscnonppcapgap@dhs.gov

■California Service Center
 ・プレミアムプロセス申請:CSC.ppcapgap@dhs.gov
 ・プレミアムプロセス申請以外:CSC.nonppcapgap@dhs.gov

(注意)なお2009年度の新規H-1B申請のランダムセレクションに選ばれていて、同時にH-1B以外のステータス変更願いが審査中になっている場合、今回の発表を基にしたGapの埋め合わせを行い、H-1Bへのステータス変更を行う場合は、規則に従ってH-1B以外の別のステータス変更申請を取り下げる必要があるでしょう。
弁護士 デビッド・シンデル
http://www.swlgpc.com/