アメリカ求人サイト「プロックスJ」を活用して、アメリカ就職・転職の勝ち組になろう!

アメリカ求人アイコン ビザアドバイス

2009/02/17
Vol.170  米国関税執行局(ICE)の最新ニュース その1

これまでもICEに関連する記事を随時お届けしてきましたが今回もそれに引き続きICEによる最近の取り締まりに関するニュースを皆さんにお届けいたします(今回より数回に分けてお伝えいたします)。提供するニュースはICEの公式ウェブサイトwww.ice.govより入手したものです。
ICEの発表によるとネバタ州Reno周辺において11箇所のマクドナルドを所有するフランチャイズ加盟会社及び当会社の現職及び元上級管理職者1名ずつが、ラスベガスにある連邦裁判所において、不法外国人滞在者をアメリカに不当に住まわせた移民法重罪を認め、罪が確定したということです。これは彼らの使用していた身分証明書がネバタ州Lyon郡にある保安官事務所から盗み出されたものである可能性が高いという内部告発がきっかけとなりました。
ラスベガスの当会社、及びそのオーナーが外国人不法滞在者へアメリカ滞在を勧めたという罪が一つ、そして当外国人を実際にアメリカに住まわせる手助けをした罪が一つ、それぞれ重罪として罪を認める形となりました。今件に関してアメリカ政府と当会社は最高の罰金となる50万ドルをそれぞれの罪に対して課し、合計100万ドルの罰金を支払うことで合意しました。そして罰金が全額支払われるまでの間、業務を停止する内容が盛り込まれました。最終的に裁判所はこの合意を認め、当会社を1年間の業務停止とし、100万ドルの罰金を下しました。支払いの詳細は即30万ドル支払い、先9ヶ月以内に残りの70万ドルを支払うというものです。
当司法取引協定によれば当会社のマネージメントは、二人のマネージャーを含め不法滞在者と知りながら、他人の名前とソーシャルセキュリティー番号を与え、雇用していた事実が詳細に記されています。
当会社の元副社長のJimmy Moore(47才)氏もまた外国人不法滞在者をアメリカに不当に滞在するよう勧めたことで重罪を認めました。この判決においてMoore氏はこの罪では最高刑となる5年以下の禁固刑と25万ドルの罰金の支払いが命じられました。
更に、このケースにおける第3の被告として当会社の経理担当管理者Anntoinette Richmond(44才)氏もまた不法滞在者を継続して雇用していたという罪で起訴されました。
Browner弁護士によると“このケースは不法滞在者と知りながら外国人を雇用することは連邦法違反である、ということを雇用主に忠告している大きな事件である。そのような悪事に関与する会社及び会社の管理職職員にとっては、法律違反により起訴され、刑事罰となることは必至であることの警告である”と述べています。
2007年9月、ICE捜査官はReno地区にある当会社により所有されている11箇所のマクドナルド及び当会社に対し連邦捜査令状を出しました。捜査を通し、それらマクドナルドにおいて58名の不法外国人就労者の存在が発覚しました。その外国人就労者は管理上の移民法違反(administrative immigration violations)として逮捕され、国外退去の手続きが取られました。そのうち約30名は自国へ強制送還されました。
2003年の創設以来、ICEはアメリカにおける不法就労に対する取締りを飛躍的に拡大してきています。ICEによる包括的な強制捜査政策は国家・国民の安全、危機的なインフラの保護、そして公平な雇用基準の確立を目的として実施されています。
これを受け、これまで2008年度(2007年10月1日~2008年7月11日)についてICEは強制捜査を通して937名の刑事上の逮捕(Criminal Arrest) を行いました。そのうち99名が会社のオーナー、マネージャー、監督者、人事担当で、不法滞在者と知りながら外国人を雇用していたというものです。更にICEは移民法違反として3,500名以上の管理上の逮捕(Administrative Arrest)を行いました。 昨年度ICEは強制捜査を通して4,900名以上の逮捕を行い、そのうち863名が刑事違反でした。昨年のその数字は2001年のその数に比べて45倍にも及びます。更に2007年度ICEは強制捜査の結果を受け、違反者からの罰金、損害賠償、支払い判決を通して3,100万ドルを超える収入があったということです。
弁護士 デビッド・シンデル
http://www.swlgpc.com/