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2009/03/03
Vol.171  米国関税執行局(ICE)の最新ニュース その2

2008年9月、米国関税執行局(ICE)はフロリダ州パームスプリングにあるベーカリーのPalm Springs Companyに対し、連邦捜索令状を施し、会社の現及び元スパーバイザーを刑事刑として逮捕し、更にその他51名の従業員を移民法違反で逮捕しました。当会社への捜索及び逮捕の発端はICEが当会社は不法就労者を雇用しているという秘密情報を入手した2006年まで遡ります。その結果、現在当会社のスーパーバイザーとして就労しているMargarita Avilez Hernandez氏、そして元スーパーバイザーのAlicia Ramirez氏は就労資格のない外国人を雇用し続けた罪に問われた形となりました。刑事逮捕令状の裏づけとして提出された供述書によると、2006年、地元警察当局は、当会社が各従業員に対し約3000ドルの支払いと引き換えに不法滞在者に雇用を保証しているという情報を入手し、その情報を基にICEへ警告を発していました。それを基にICEは調査を始めましたが、調査期間中、ICE捜査官は従業員の就労資格の確認を取るために130名を超える従業員の名前とソーシャルセキュリティー番号の確認作業を進め、結果それらのうち100名を超す従業員の就労資格が無効、もしくは政府データと一致しませんでした。今回、会社のスーパーバイザーの刑事逮捕に加え、米国で不法に就労している51名の従業員も発覚し、そのうち27名は拘留措置処分が下されました。
これまでにも何度となくICEに関する取締り記事は紹介してきましたが、国土安全保障省や労働省をはじめとする各アメリカ政府機関による企業また外国人を中心とした従業員への調査、監査、強制捜査は年々増加しており、単なる不法滞在者に対する雇用問題に留まらず、雇用主に対する移民法関連の企業コンプライアンス違反へのアメリカ政府の厳しい対応も目に付きます。対象となる企業規模は大小様々ですが、実際に日系企業への調査や監査の報告もあります。しかし企業は移民法を中心としたコンプライアンス、人材管理、新従業員管理に関して熟知していない場合が多く、その一方でアメリカ政府は様々な形で関連した新プログラムも導入し始めています。このような背景の下、企業による移民法に関連した適切なコンプライアンスの実施は今後益々その重要性を増すことでしょう。
弁護士 デビッド・シンデル
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