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2009/05/06
Vol.175  H-1B詐欺申請の調査報告その3

2008年9月、国家安全保障・記録検査局(NSRV)の部署の一つとしてビザ申請に関わる詐欺の発見と国家の安全保障を担っているFDNSオフィスよりH-1B申請における詐欺行為及びコンプライアンス(法令順守)違反について調査報告がありましたが、統計的には調査対象となった全246ケースのうち、最終結果として51ケースに詐欺行為、専門的違反、もしくは多重の専門的違反が見つかりました(これら全ての違反ケースが犯罪調査または刑事告訴というレベルまで到達するものではありません。今回の調査の主な詐欺の対象は、犯罪調査または刑事告訴に到るような大きな詐欺行為ではなく、H-1B申請上、例えば簡単にごまかしができる、また乱用できるような詐欺申請行為です。なぜならばそれら違反行為は犯罪調査または刑事告訴までは到らなくとも、詐欺申請として繰り返し、または組織だって申請される要因となっている上、高い確率でそれら申請がうまくいってしまっている場合があるからです)。
また今回調査対象となった全246ケースのうち、11%の26ケースが会計、人事、ビジネスアナリスト、セールス、そして広告に関するポジションでの申請でしたが、そのうちの42%(11ケース)に何かしらの詐欺または専門的違反が発覚しました。この数字からも分かるように、これらポジションは他の職種に比べて違反の可能性が高いことが分かりました。
続いて芸術、マネージャー職に関するポジションが、2番手、3番手に詐欺として多い結果となりました。ただこれらは統計データとして正確に状況を判断するには充分なサンプル数ではありませんでした。
H-1B申請において最も申請需要の多いコンピューター関係のポジションについて、その調査対象の数は全体の42%(104ケース)にのぼり、そのうち27%(28ケース)に何かしらの詐欺または専門的違反が発覚しました。
これらの調査の結果を受けて、予備的ではありますが、次のように結論が発表されました。
1.従業員数25人以下の中小企業は従業員を多く抱える大企業に比べて高い確率で詐欺行為または専門的違反を行っている
2.年間売り上げ1,000万ドル未満の会社は年間売り上げ1,000万ドル以上の会社に比べて高い確率で詐欺行為または専門的違反を行っている
3.1995年以降に会社設立された設立10年未満の会社は設立10年以上の会社に比べて高い確率で詐欺行為または専門的違反を行っている
4.会計、人事、ビジネスアナリスト、セールス、そして広告に関するポジションでの申請に高い確率でケースで詐欺行為または専門的違反がある
5.4年制大学の学位を持っている申請者に対する申請のほうが、修士号以上の高い学位を持った申請者に対する申請よりも高い確率で詐欺行為または専門的違反がある
今回調査対象の21%に詐欺行為または専門的違反が発覚しました。これらの結果を受け、一度皆さんもH-1Bに関する雇用そして申請を見つめてみるべきでしょう。今後の移民局の対応には注目です。
弁護士 デビッド・シンデル
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