アメリカ求人サイト「プロックスJ」を活用して、アメリカ就職・転職の勝ち組になろう!

アメリカ求人アイコン ビザアドバイス

2009/05/19
Vol.176  オバマ政権誕生後の移民法政策はどうなるか ―その1-

オバマ大統領就任式も無事終了し、早速、オバマ新大統領は様々な取り組みを開始いたしております。移民法に関しても様々な点において新大統領の動向には弊社も注目していまが、オバマ次期大統領は新政権においても政府として移民法関連問題に引き続き熱心に取り組む方針は変りありません。特に心に留めておくべきことは移民法関連の企業への法施行が身近なものとして更に定着するということです。ブッシュ政権は移民法関連の法施行に関わる法執行職員の数を劇的に増やすことに成功しました。統計データからも分かるように国土安全保障省(DHS)による法施行に対するこれまでの対策は良好な結果を生み出しており、実際、移民法違反の逮捕者数は増え、更に犯罪捜査や告発の数も増えています。

新オバマ政権は移民法関連法の施行に関して“寛大である”という安易な見方はできません。もし議会が将来的に意味のある移民法改革を考えているということであれば、アメリカ大統領府はアメリカ国境及び国内において移民法執行を精力的に行うと考えられ、結果として各企業は政府の引き続いての法執行対策の対象となる可能性があることを予期しておくべきでしょう。DHSは今後も引き続きあらゆる手段を講じて法執行を続けるでしょう。更に現在の経済状況から考えても、アメリカ人労働者に対する保護主義的な方策が取られることも考えられます。

これまでの成功を受け、DHSは歴史的に合法・不法移民を多く雇用してきている業界を中心に引き続き法執行対策に取り組むことでしょう。農業、建設、食品加工、ホスピタリティー、レストラン、そして織物業者は引き続き綿密な法執行の対象となることが予想されます。更にDHSはテロと不法移民との間に密接なつながりがあると確信していることから国家の安全に関わるような米軍関連機関、空港、港、原子力発電所、水処理施設のようなアメリカのインフラシステム関連業者に対しても引き続き厳しい対応が取られるでしょう。

DHSが講ずる最も効果的な法執行の手段の一つは刑事告発という脅威です。DHS管轄である移民関税執行局(ICE)が不法滞在者であることを承知の上で雇用している会社をターゲットとし、告発していることからも、刑事上の調査や告発の数は今後も増え続けることになりそうです。

DHSはNo-Match Safe Harbor規則をうまく利用し従業員のソーシャルセキュリティー番号と社会保障庁の記録と一致しない場合に発行される社会保障庁からの“No-Matchレター”や国土安全保障省からの“疑わしき書類に関する通知”を受け取った会社が、それら通知書に正当に返答しない場合、それら会社には刑事責任を意味する不法移民の雇用という疑いがかかると強く主張しています。(次回に続く)
弁護士 デビッド・シンデル
http://www.swlgpc.com/