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2009/07/27
Vol.179  H-1B Remainder延長申請とポータビリティー その1

米国移民局Domestic OperationsのActing Associate DirectorであるDonald Neufeld氏は2008年5月30日に1つの重要な通達メモを発行しました。その通達メモには主にH-1Bの通常満期期間である6年を超えてのH-1B延長申請について、H-1Bの同時申請(Concurrent Employment)について、そして労働違反を報告した後のH-1B雇用者変更申請について移民局の現方針ーが明確にされています。
H-1B規則では基本的にH-1BステータスはH-1Bビザ取得者が米国労働局に対して延長の少なくとも365日以上前に労働認定書(Labor Cert)を申請してれば1年毎のH-1B延長申請が可能となっています。一方、2007年7月16日現在、雇用を基にした永住権申請に関し、労働認定書は永住権スポンサー会社が労働局申請の次の段階である移民申請(I-140申請)をその認可から180日過ぎる前に申請していなければ、その認可から180日で失効することになっています。これに従い2007年7月16日より前に認可された労働認定書は永住権スポンサー会社がそれを基にしたI-140移民申請をを期限内に行っていなければ、元々有効期限がない労働認定書であっても2007年7月16日から180日後の2008年1月中旬には失効してしまいました。
ところで2008年5月30日に発行された通達メモ には移民局による新方針が打ち出されているのですが、それによると移民局は次の条件を満たせば過去に提出された労働認定書を基に1年のH-1B延長が認められることになりました。1) H-1B延長申請時に労働認定書が有効なものであること; 2) H-1Bの満期期間である6年を使い切る日付の少なくとも365日以上前に労働局へ労働認定書を提出している、または移民局へI-140申請を行っている; 3) 延長、I-129申請が認可可能なものである、の3項目です。この方針は例え労働認定書がI-140申請のために使用されていなくても1年間のH-1B延長を可能としていた従来の移民局方針とは異なります。つまりH-1B延長を可能にするためにはI-140移民申請をしていない場合は労働認定書は必ず有効である、又はI-140申請が移民局に対して提出されていなければならないことを意味します。
更にその通達メモにはH-1B満期期間の6年を超えての1年延長に関し、いくつかの有効な方針を打ち出しています。それによると1年間の延長申請はその満期期間である丸6年を迎えるまでに残された残期間分と一緒合わせて行うことができるというものです(実際にアメリカを離れていた期間は日数として数えられません)。この場合移民局はまずビザ取得者がH-1Bステータスにおいて6年を使い切る日付を決定し、そこから先H-1Bを1年間延長する資格があるかどうか決定します。
そこで1つの例を取り上げます。佐藤さんは2007年8月1日に労働認定書の申請を行いました。 その後申請は認められ、雇用主はその労働認定書を基にI-140申請を行い現在審査中です。佐藤さんのH-1Bは2008年7月1日が6年満期です。佐藤さんは最初H-1B保持者として6年前にアメリカに入国し、その間合計で3ヶ月間アメリカ国外に滞在していました。従ってその3ヶ月という期間はH-1B延長を行う際、実際にアメリカにいなかった期間としてその期間分を取り戻す(Re-Capture)することが可能となります。
現在ではH-1Bでの期間が丸6年を迎える時点において雇用を基にした永住権申請のための労働認定書(LC)申請から1年以上経過している状況であれば丸6年までに残された期間と6年を超えた1年の延長とを合わせて申請することが可能です。従って取り上げた例に関しては1年経過する労働認定書を基に1年の延長と3ヶ月の残りの期間を合わせた1年3ヶ月分のH-1B延長申請が可能というわけです。
(次回に続く)
弁護士 デビッド・シンデル
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