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2009/11/03
Vol.186  移民関税執行局(ICE)による企業への新たな調査通知書の発行
=7月1日の1日で全米652社が監査通知を受ける=

移民関税執行局(ICE)に関する話題はこれまでにも何度か記事でお伝えしてきておりますが、ICEに関する新たな動きがありましたのでお伝えします。

ICEは2009年7月1日、企業の雇用に関する大胆かつ斬新な調査通知書(Notice of Inspection)を全米の652の企業に発行しました。この1日での652社への発行という数はICEが昨年度1年を通して発行した通知書の数よりも多く、この通知書は雇用主に対し企業が従業員を雇用する際、その身元を法律に則って確認し雇用しているかその記録を調査すると警告しているものです。企業が正当に法律に則って人材を雇用し合法的な労働力を確保しているかどうかの調査について、今回のこのICEによる斬新な動きを考えれば、企業の責任追及に対するICEの更なる厳しい対応が伺えます。

国土安全保障省次官補のJohn Morton氏は今件について次のように述べました。“ICEは移民法など企業の法令遵守を促進するためのI-9調査プログラムの確立に真剣に取り組んでおり、今回のこの斬新な取り組みは、不法労働を見つけ出し今後の不法労働を防ぐための長期的戦略の第一歩である”

企業はアメリカで雇用する全ての従業員に対してI-9フォームを法律に則って正当に作成し一定期間保管する義務があります。このフォーム作成にあたり、企業は雇用する従業員の身元及び雇用を許可する証明書を正当に確認し記録する必要があります。

今回のこの調査通知書を受けた652社の企業は他で実施された調査等を通して得られた情報に基づいて選び出されました。なおこの調査は現在進行中ということで、調査通知書を受けた企業や場所については現時点では公表していません。

2008年度、ICEは同様の調査通知書を1年を通して503社に発行しました。今年4月、ICEは全米の不法労働を減らし、合法的労働者に対する雇用機会を守るための斬新かつ包括的な戦略的実施要項を作成しました。これに基づきICEは、雇用の際に遵守すべき法律に従わず不法労働と知りながらも雇用することによって不法労働を助長しているという疑いのある企業への監査、調査に全力を注いでいます。今回のこの調査通知書の発行はこの戦略的実施要項の第一歩と言えます。更なる今後の動きには注目です。
弁護士 デビッド・シンデル
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