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2010/01/05
Vol.190  ICE ニュース

クリスピークリーム社がI-9監査後、罰金の支払いを命じられる
シンシナティー – 米国移民関税執行局(ICE)及びバトラー郡保安官事務所は先日ドーナツ会社大手のクリスピークリーム社が移民法違反として$4万ドルの罰金を支払うことで合意したと発表しました。
ICEはクリスピークリーム社がシンシナティーにあるドーナツ工場の一つで数十名の不法就労者を雇用していたとことを明らかにしたバトラー郡保安官事務所からの情報を受けI-9監査を実施しました。
I-9とは雇用主が労働者を雇用する際に米国市民かそうでないかに関わらず雇用主によって作成・保管されなければならない一枚の雇用資格確認フォームのことを言います。I-9の主な目的は1986年11月6日以降に雇われた従業員の就労資格と身元確認です。雇用主は指定された確認書類リストを基に就労資格と身元確認を雇用の際必ず行わなければなりません。移民改革規制法により、全ての雇用主に対して義務付けられ、違反があった場合には罰金や刑事罰があります。このI-9は監査請求がない限り移民局や労働局に提出する必要はなく、雇用主が管理、保管することになります。
今回ミシガン州、オハイオ州での監査を担当しているICE特別官であるブライアン・マスコウィッツ氏は“雇用主はアメリカで働く資格を有している人材を雇用する義務があり、これに関わる罰金は雇用主が移民法を遵守するために必要な重要な要素で、その義務をためらったり無視したりする雇用主に対処するためにICEは自由にその法的手段を講じることができます。”と述べました。
そのI-9監査では更に米国移民国籍法に対する違反も明らかになり、2007年9月にICEは罰金支払いを命じる意向通知書を発行していました。今回最終的に会社は罪を認め、支払い合意に至ったということです。
その合意の一部として、会社は移民法コンプライアンスプログラムを改善する対策を講じ、将来的に連邦移民法違反を防ぐための新指針を開始することでも合意していました。
2009年4月、ICEはアメリカにおける不法就労を減らし、合法的に就労できる国民の雇用を守るために包括的な新しい戦略を立てました。この新戦略の基、ICEはその財源及び人材を不法就労と知りながらも不当に雇用している疑いのある雇用主に対する監査や調査にあて、つい最近でもICEは一日で全米に渡る652社に対してI-9監査を行う旨の通知書を発行したばかりです。
弊社では今まで幾度となく皆様にはICEによる監査調査また新しい動きについてお知らせしてきました。今回のケースからも分かる通り、会社として移民法に関わるコンプライアンスプランを立て、それを遂行することはICEとの交渉や罰金の軽減に対して大きなメリットとなります。事実、今回クリスピークリーム社は移民法に関わるコンプライアンスに対して積極的に前向きな態度をとり、そのプラン遂行を通してICEに対して誠実性を示すことができました。それから推測しても、今回のこのクリスピークリーム社に対する$4万ドルという罰金は大変少なかったと言えるでしょう。今後ますますこのようなI-9監査に関わるニュースを耳にすることでしょう。今後のICEの動きには更に注目です。
弁護士 デビッド・シンデル
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