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2011/05/17
Vol.222  米国労働局による引き続きの頻繁な監査の現状

最近の例を一つ取り上げます。ジョージア州サワニーにあるコンサルティング会社、スマートソフトインターナショナルは労働局による監査により従業員への給与支払いに関する違反が発覚し、その違反を最終的に認め、罰金として対象のH-1B保持者135名に対しバックペイとして総額約百万ドルもの賃金及びその利子の支払いをすることとなりました。その支払い額については、H-1B規則に対するその違反の度合い等を基に労働局の一部署Wage and Hour Division(労働賃金・労働時間監督課)により決定されました。

当部署の調査によって見つけ出された違反内容は次の通りです。

1. H-1Bによる雇用当初、必要な賃金の支払いがなされていなかった者がいた。
2. H-1B申請上はフルタイムでの雇用となっているにもかかわらず、パートタイムに基づいた賃金の支払いとなっていた者がいた。
3. 就労地域で支払うべき平均賃金額より少ない賃金しか支払われていない者がいた。

お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、このケースはH-1B賃金に関する大変基本的なことに対する違反です。しかしながらこれら基本的なことが守られていない企業が多く存在するのが実態としてあるようです。実際、労働局による監査の際、企業側はH-1B保持者に対して、他の同様のポジションの従業員に支払っている賃金額と同額かそれ以上、またはH-1B保持者が就労する地域の特定のポジションに対して一般的に支払われている平均賃金額以上の賃金をH-1B保持者に支払うことを立証しなければなりません。更に規則ではH-1Bにて外国人を雇用することで、同様のポジションで就労しているアメリカ人のポジションや賃金などに悪影響があってはいけないことになっています。

相変わらず労働局による監査は頻繁に行われており、H-1B保持者に対して会社が保管しておくべきパブリックアクセスファイルに対する監査や、予告なしの監査などその数は明らかに増えています。このような状況の下、H-1Bスポンサー会社は常に監査の対象となることを念頭においておくことが大切で、事前の社内監査を通してパブリックアクセスファイルの内容とそれに対する会社のH-1B雇用の施行状況を定期的に確認することで、違反を未然に防ぐことができます。従業員に対する賃金の支払いなど仮に正当に対応していると信じている会社であっても不意の違反がある場合もありますので、現在のパブリックアクセスファイルの確認、及び今後の定期的な社内監査をぜひお勧めいたします。

弁護士 デビッド・シンデル
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