ビザアドバイス
2011/06/07
Vol.223 2011年度H-1Bが上限に到達
2011年1月27日、米国移民局は2011年度のH-1B申請受付数が2011年1月26日時点でその年間上限数である65, 000件 (通常枠―ただしそのうち米国が自由貿易協定を結んでいるチリ及びシンガポールの国籍の申請者に対して6800件が割り当てられていることから日本人を含めそれらの国籍以外の申請者に対しては58,200件が実質の年間発給枠) に到達したことを発表しました。このことにより、移民局は2011年1月26日を正式な締切日と位置づけ、規則に従い26日当日に受け付けた申請書類については、その中から無作為に書類を選び出すランダムセレクションの対象となります。ランダムセレクションに漏れた申請書については正式に受領されず、申請費用等とともに返送されることになります。また1月27日以降に移民局に届く書類(2011年度申請用)につきましても2011年度発給枠対象外とし、申請を受け付けず、そのまま申請書は返送されます。
更に移民局は2010年12月22日に修士号枠(20,000件)についても年間上限枠に到達したことを発表しており、このことから2011年度の新規H-1Bは申請が正式に終了したことを意味します。
それに伴い今回の新規のH-1B申請に間に合わなかった申請者は、現時点では新たにH-1B申請を行うとすれば2012年度(2011年10月1日~2012年9月30日の就労開始)以降ということとなり、H-1B申請は6ヶ月前より可能なことから、その場合早くて2011年4月1日以降の申請となります。
ただしこの年間発給枠は新規のH-1B申請者に対して適用されるもので下記の項目に該当すれば移民局は引き続きH-1B申請を受け付けます。
- 現在H-1B保持者として同じ雇用主で、その延長申請を行う場合
- 現在H-B保持者として同じ雇用主で、雇用条件変更の申請を行う場合
- 現在H-B保持者としてH-1Bを保持したまま別の会社への転職申請を行う場合
- 現在H-B保持者として現在の職務と平行して他の職場での就労申請を行う場合
さらに高等教育機関またはそれと関連する非営利団体に雇用される場合、または非営利研究団体あるいは政府の研究機関に雇用される場合は、H-1B年間枠の適用を受けないと発表しています。
そこで今回申請に間に合わなかった申請者は次の2012年度枠で可能な最も早い就労開始日が2011年10月1日であることから、それまでの間、何かしらのビザでアメリカにて就労が必要である場合、他のビザの可能性を探ることとなります。こちら例えばEビザやLビザなど、考えられるビザもございますが、申請者の経歴や会社の状況等により申請条件を満たすか検討する必要があり、H-1Bのそれとは異なります。こちら詳細な情報については専門家に相談することをお薦めいたします。
弁護士 デビッド・シンデル
http://www.swlgpc.com/
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