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2011/06/21
Vol.224  米国における永住権保持者の数について

最近、米国移民法弁護士協会を通して情報提供のあった米国永住権保持者に関する統計データによると2009年1月1日時点での米国永住権保持者の推定総数は約1,250万人です。そのうち約790万人がアメリカ市民権の有資格者だそうです。参考までに、基本的なアメリカ市民権の取得は、米国永住権を取得後、過去5年間 (米国市民の配偶者は3年間)、一定条件の下、米国に居住することで申請資格を得ます。申請条件の中には日常の英語能力、米国政府と歴史についての基礎知識、道徳的人格であることなどもあります。
今回のデータの根拠を更に見てみると、1980年から2008年の間に約2,400万人の人が永住権を取得しており、うち約900万人がその間アメリカ市民権を取得しています。それ以外に1980年より前に永住権を取得した人の数の追加や、その後死亡した方や永住権を放棄した方の数等を考慮することで今回の数字が算出されています。
更に詳細を見てみると2009年1月1日現在の米国永住権保持者のうち1959年以前の取得者が約19万人(1.5%)、1960年代が約44万人(3.5%)、1970年代が約112万人(9%)、1980年代が約116万人(9.3%)、1990年代が約292万人(23.5%)、2000年~2004年が約261万人(21%)、2005年~2008年が約401万人(32.2%)だそうです。
また今回の発表では国別の人数も発表されており、そのうちメキシコが328万人で全体の26.3%と圧倒的な数を占めています。その次に続くフィリピンの55万人、中国の53万人、インドの50万人と比べるとその数には驚かされます。日本人はと言えば、今回の統計上は全体の18番目で、その数は約13万人で永住権保持者全体の約1.1%程です。ただそのうち約11万人がアメリカ市民権の有資格者と言うことで、このことからも一人の永住権保有期間の長さを伺うことができます。その他注目すべきアジアの国として、韓国(北朝鮮を含む)は約24万人です。
また州別の永住権保持者に関するデータも今回発表されており、約331万人(全体の約26.6%)を抱えるCA州を筆頭に、NY州の153万人、TX州の122万人、FL州の118万人、NJ州の56万人、IL州の54万人が後に続きます。
アメリカは移民大国とも言われ、両親が外国人であっても本人がアメリカ国内で生まれればアメリカ国籍を取得することはもちろん、外国生まれの永住権保持者からアメリカ市民へと帰化するケースも多くあります。ただアメリカには反移民派も存在することは確かで、最近では特に雇用を通した永住権の取得など、審査も厳しく、取得希望者に対して絶対数に限りが有る場合もあり、審査期間そのものも大変長い時間がかかっているのが現状です。アメリカにはその他にステータスの無い、いわゆる不法滞在者、不法就労者も同数またはそれ以上滞在しているとも言われます。今後の移民に対するアメリカの進むべき道について政府はこれまで以上に柔軟かつ真剣に考えていくことが求められています。
弁護士 デビッド・シンデル
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