ビザアドバイス
2012/06/19
Vol.248 多国籍企業の管理職とマネジャーのEB1-3カテゴリーでの永住権取得(その2)
前回、移民局はAdjudicator’s Field Manual (AFM)に基づき、アメリカ国外の外国法人の「支店」(branch)はL-1A管理職及びマネージャーの雇用ベースでの永住権申請(I-140移民申請を通しての永住権申請)をサポートをすることが出来ないと判断している旨、説明しました。
今回、ここで更にMatter of Thornhill, 18 I&N Dec. 34 (Comm. 1981) という判例ケースを取り上げます。このケースでは、移民国籍法-第203(b)(1)(C)項をもとに、外国法人でアメリカで法人化されていない支店も、永住権をもっていない非移民ビザ保持者の外国人も、個人のために雇用ベースの永住権を申請する資格がなく、申請者(スポンサー会社)はアメリカ人、会社法人、合名会社、その他の法人でなければなない、と言う判例になっています。従って、これから解釈すると、アメリカ国外に支店があるアメリカ法人会社はEB1-3 (第1カテゴリー-3)移民ビザ申請をすることができるでしょうが、アメリカ国外の法人会社のアメリカ支店を通しては、このカテゴリーでの移民ビザ(永住権)申請は出来ないということになります。
しかしながら、上記の移民局AFMの条項について、実は下記の移民国籍法-第203(b)(1)(C)項そのものに矛盾しているのです。
203(b)(1)(C) - 多国籍企業の管理職とマネジャー: 該当カテゴリーでの申請そしてアメリカに入国する前の3年間のうち、1年以上管理職やマネージャーとして関連会社に雇われていたことがある外国人で、管理職やマネージャーとしてアメリカの同じ雇用主や子会社、または関連会社で業務に従事し続けるためにアメリカに入国する外国人は、この条項の対象となります。
この条項には、外国人の管理職やマネージャーがアメリカに存在する同じ会社においても、業務に従事し続けることが可能であると明記されています。つまり、同じ会社に従事するということは、外国法人のアメリカ支店も外国人の管理職やマネージャーの永住権スポンサーになることができると解釈できるのです。
(次回に続く)
弁護士 デビッド・シンデル
http://www.swlgpc.com/
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