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2012/07/03
Vol.249  多国籍企業の管理職とマネジャーのEB1-3カテゴリーでの永住権取得(その3)

前回、前々回と、多国籍企業の管理職とマネジャーのEB1-3カテゴリーでの永住権申請について、移民局の審査の矛盾点について指摘しました。今回、更に移民局の審査基準の矛盾点を指摘します。
移民局によるAdjudicator’s Field Manual (AFM:移民局がケースが判決を下すために利用するマニュアル)の誤った解釈はThornhillケースそのものからも示すことができます。Thornhillケースの件では永住権のスポンサーが彼自身のHビザを申請していました。このケース当時の以前の法律では、Hビザ保持者は、放棄する意思のない外国の居住地がある、ということを証明する必要がありました。そのため外国の居住地を放棄する意思がないことは、アメリカに永住する意思と矛盾することからスポンサー会社は彼の永住権をスポンサーできないと判断されたのです。
しかしながら、Thornhillケース(非移民ビザ申請ケース)とは異なり、アメリカ国外の外国企業の支店は、所在する州の州法によって事業を行うことが許可されていれば、永久的に州で事業を行い続けることが出来ることになっています。このように、支店が外国人の管理職やマネージャーの永住権申請をすることを禁止することは、§203(b)(1)(C)項に矛盾しているとも言えます。更に、対象となる同じ支店をスポンサーとして問題なくLビザを申請し、認可を受けているという事実にも矛盾します。またAFMでは、支店であるスポンサーが多国籍企業の管理職、マネージャー以外の第2、第3申請カテゴリーでの永住権申請(第1カテゴリー(EB1-3)では必要とされていない、労働局を通しての申請は必要)は禁止していない点もその矛盾を示しています。
もしもこのような解釈の違いによって申請が却下された場合には、それを問題視すべきです。これは、移民局が、支店の管理職やマネージャーの永住権の権利妨害をし、外国企業がアメリカで長期活動を不必要に制限していることにあたるでしょう。
弁護士 デビッド・シンデル
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