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2014/01/21
Vol.286  I-94フォームのペーパーレス化

既に皆さんの中には、I-94フォームの記入無しにアメリカへ入国された方もいらっしゃるかもしれません。米国税関•国境警備局(通称CBP)は、アメリカを合法的に訪問する人々の入国手続きを合理的に処理、管理するため、この春からI-94フォームをペーパーレス化させ、オンライン上で自動処理管理する新しい入国処理管理方法を発表しました。

このI-94フォームとはアメリカに合法的に入国した外国人(ESTAを除く)が自身の滞在ステータスが何で、いつまで滞在が認められているかを示す大変重要な書類の一つです。今回のこの新しい処理管理方法が導入された事で、非移民ビザを持ってアメリカに入国する人(現時点では航空、航海による入国のみ)は紙媒体のI-94フォームの記入の必要がなくなります。このことによりアメリカ政府は膨大なコスト削減を見込んでいます。
今後、自身のステータスを証明する上でI-94の情報が必要となる場合は、CBPのウェブサイトからI-94番号を含め、必要な滞在情報を入手する事が可能となります。

なお、入国の際は入国審査官によりパスポートに入国スタンプとともに入国日、滞在期限、滞在ステータスなどが書き込まれるはずです。ただ、そこで考えられる問題の一つに、入国する非移民ビザ保持者本人が、パスポートに手書きで記載される情報とCBPが自動的に処理しオンライン上で入手するデータがきちんとマッチしているかどうかについてで、入国者本人が入国時点では確認する方法がないという懸念が残ります。今後、入国データがどのように正確に処理されていくか、また問題発生時に政府がどのような対応をするかしっかり見守っていきたいと思います。

なお、陸路での非移民ビザ保持者のアメリカ入国の際は、様々に複雑な事情が起こりえる事から、しばらくは引き続き従来通りの紙媒体でのI-94への記入及びそれに基づいて入国者のステータスが管理されます。

その他、アメリカでの雇用時に必要とされるI-9及びE-Verify管理に対するI-94情報の同期化問題をどのように解決すべきかについて、米国国土安全保障省は現時点では明確な発表はしておりません。今後、特に会社でI-9フォームを管理している会社社長や人事部長は、このI-94のペーパーレス化に伴う正しいI-9管理について、今後正しい認識が求められます。

以上、今回のI-94のペーパーレス化は、入国者管理の合理化とコスト削減が期待できる一方で、解決しなければならない問題も含んでいます。結果的に、いち早く、アメリカ入国者の情報が正しく管理され、入国審査が短時間でスムーズに進む事になれば、大成功の施策と言えるでしょう。

弁護士 デビッド・シンデル
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