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2014/05/06
Vol.293  同性結婚に基づくビザの取得(その1)

今年も定例のAILA(アメリカ移民法弁護士協会)会議に出席しました。会議場内は興奮状態で、歓声が響き渡り、なんとも言えない達成感で満ちあふれていました。

その訳は、私が会場入りした前日、連邦最高裁が「アメリカ対ウィンザー」の件で結婚防衛法(DOMA: 結婚は異性間において成り立つと定めた連邦法)が「結婚とは男女間のものに限定」とすることは憲法違反であるとの判決を下したことで、連邦法を基にした移民法においても同性結婚に対する対応が大きく前進すると考えられたためです。これまで州法に基づいて同性結婚していたにもかかわらず同性結婚が連邦レベルでは認められていなかったことから、例えば同性結婚を通しての配偶者等に対し非移民ビザや永住権などの取得は一切認められませんでした。

判決の発表を受け、移民局のディレクター、アレハンドロ・マヨルカス氏が早速AILA会議場のステージに招かれ、今後の移民局の同性結婚に対する取り扱いについて質問に応じることとなりました。「移民局はこの判決に対してこれからどう対応する予定ですか?」と単刀直入に聞かれたマヨルカス氏は、「移民局はオバマ大統領が2011にDOMAを擁護しないと告知してから現在までに申請されて却下された同姓結婚に基づいた申請を保管記録してきました。今後は、今回の判決を受け、これら却下されたケースを再審査する予定です。」と答えたのです。これを聞いた出席者はもう一度大歓声をおこし、会議場中が歓声と拍手で溢れました。

なお、最高裁がこの判決を下したすぐ後、オバマ大統領は移民法も含む連邦政府に関わるベネフィット(ビザなど)の提供について同性婚カップルに対しても速やかに実行するよう指示しました。

まず、移民法上は、同姓婚カップルの一人がアメリカ人の場合、外国人である配偶者(パートナー)のグリーンカード申請や移民ビザをスポンサーする事が可能になります。この場合、居住州ではなく入籍した州が同姓結婚を認めている州であることが条件となります。このような申請に関し、既に移民局は審査を進め、認可を出しているケースもあるようです。

弁護士 デビッド・シンデル
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