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2014/06/17
Vol.296  H-1B専門職ビザに関する情報 その2

最近、アメリカ移民局は“H-1B専門職ビザ就労者の特性”に関するレポートを発行しました。一見、一般の方には興味が涌かないようなレポートのタイトルですが、このレポートは就職活動中の生徒だけではなく、ビザのスポンサーシップを考えている企業側の採用担当者も必見の内容となっています。

さて、2013年6月26日、移民局は、法定要件に基づき2012年会計年度(2011年10月1日〜2012年9月30日)の“H-1B専門職ビザ就労者の特性”という年間レポートを議会に提示しました。このレポートに記載されている興味深い内容をいくつか紹介します。

• H-1Bの申請数が2011年度の267, 654件から翌年2012年度は307, 713件へと15%増えました。
• 認可されたH-1Bの数は2011年度の269,653件から翌年2012年度は262,569件へと3%減りました(審査が年度をまたいだケースも含む)。
• 新規の申請と延長申請の数も変わり、2011年度に認可された総数の39%が新規ビザでしたが、2012年度では52%まで割合が増えました。
• 2012年度に認可されたH-1Bビザの72%は25歳~34歳の方のビザでした。
• 認可されたH-1Bビザ申請者の平均年収額は2011年度、2012年度共に変わらず$70,000でした。
• 2011年度と2012年度に認可されたビザ申請のうち、圧倒的に多かったのはインド国籍の申請者でした(2011年度で全体の58%、2012年度で64%)。その次に中国人(7.6%)、カナダ人(3%)、フィリピン人(2%)そして韓国人(1.7%)と続きます。日本国籍の申請者は全体の8番目に多く、それでも2012年度に認可されたビザ申請のうち、わずか1%にしか過ぎませんでした。
• 2012年度に認可されたビザ申請の46%は学士号の取得者、42%は修士号、8%は博士号で、4%は職歴を基にした申請でした。
• 2012年度に認可されたビザ申請のうち、60%がコンピューター関係の業種でした(2011年度は51%)。建築や工学系の業種が全体の10%(2011年度は11%)と続きます。なお、それらコンピューター、建築、工学系の業界において理系ではない業種に対して認可されたケースは1%以下で
した。また美術などに関連する職業は2011年度が全体の1%に対して2012年度は0.4%でした。理系外の職業で唯一申請者が多かったのは教育関係(6.7%)や管理職(7%)などでした。

2014年度の新規H-1B申請は2013年4月1日が受付初日(その4月第一週に受け付けた申請書類は年間上限発行数が仮にその週で超えても抽選対象となった)でしたが、4月の第一週中にH-1Bの年間上限発行数に到達し、移民局は無作為の抽選により正式に受け取る申請書類を選択しました。このように受付開始早々に年間上限数に到達したのは2009年度以来でした。申請の数も昨年同時期の約倍でしたので留学生だけでなく雇用者もこのようなレポートには充分注目する必要があります。H-1Bビザによるスポンサーシップを考えている会社はまず社内にH-1Bビザに適したポジションがあるかどうかを自己査定しなければなりません。更に求人活動中の企業は求職者の学歴や専攻などに充分注目しなければなりません。求職者だけではなく企業側も貴重な時間の無駄遣いを防ぐため、採用前の入念な査定が非常に重要となります。


弁護士 デビッド・シンデル
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