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2016/03/07
Vol.321  米国移民局を通してのI-130申請書の審査状況

I-130申請とは、配偶者や21歳以上の子供など家族をスポンサーとして永住権を申請する最初の申請ステップですが、この申請は、限られた状況においては、在外アメリカ大使館へ申請する事ができ、そこから管轄の米国移民局へ審査可能かのリクエストがなされます。現状、仮にI-130申請者が在外の米国大使館での最終インタビューを希望する申請であっても、全申請の99%において、I-130申請書はアメリカ国内にある米国移民局(シカゴロックボックス)への申請書の提出が求められています。しかし、つい5年程前までは、アメリカ国外に住む申請者は、その居住地を管轄する在外米国大使館を通してこのI-130申請を行う事ができました。このように現在ではほぼ全てのケースにおいて米国移民局への申請が求められる事で、5年程前に比べて、最終的に永住権を取得できるまで、追加で5ヶ月かそれ以上の審査期間を想定しなければならない状況となっています。

このような状況のもと、移民局は特定の緊急事態においては国務省が管轄する在外米国大使館に審査を行う権限を与える事もあります。その特定の緊急事態については下記に示す状況が例としてあげられます:

• 海外に駐留する米国軍人が新しい任務や勤務地変更について突然指令を受けた場合(この場合、米国軍人がビザのスポンサーとなっている事を想定)
• 永住権のスポンサーとなる家族または永住権受益者が、即時の渡米を必要とするような医学的な緊急事態に直面している場合
• 永住権のスポンサーとなる家族または永住権受益者が、個人の安全に対して、差し迫った脅威に直面している場合
• 永住権受益者が、あと数ヶ月程度で、永住権を取得できる対象年齢でなくなってしまう場合
• 永住権のスポンサーとなる家族または永住権受益者が永住権申請のための最終面接のために申請を管轄する国を訪れているが、永住権のスポンサーとなる家族がアメリカ人へ帰化したことで、永住権受益者に対して新しい別のカテゴリーでの申請が必要となる場合
• 永住権のスポンサーとなる家族が子供を養子にしたことで、アメリカへの出国が緊急な事態となっている場合

なお、2013年12月1日〜2014年11月30日において、481件のケースについて特例的に国務省(在外米国大使館)で審査できるよう移民局に対してリクエストが出されました。このうち、388件に対して、国務省での審査が認められました。それら国務省での審査が認められなかった要因としては、ケースが通常のアメリカ国内での移民局審査プロセスがなされる事を前提とした場合、その前にアメリカにどうしても戻らなければならない緊急の状況であることの説明が不十分だった事のようです。もしご自身の申請が米国大使館での審査を可能とするものとなれば、永住権取得までの期間を大幅に短縮する事ができるでしょう。
弁護士 デビッド・シンデル
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