ビザアドバイス
2003/03/03
vol.32 結婚により取得した永住権の「限定条件」を取り除くには…
結婚をベースに永住権を取得した日にまだ結婚2年未満である場合、その永住権には限定条件がついていることはご存知でしょうか。あなたは移民として、あるいは他のビザからの切り替えで晴れて永住を認められたわけですが、それには条件がついています。その条件とは、あなたが合衆国移民法の網をくぐるために結婚したのではないことを証明しなければならないということです。移民局がこのような条件を付けているのは、永住権を「ありとあらゆる手段」で取得しようとする人々が存在しているからです。グリーンカードを巡る虚偽の申請や詐欺は後を絶ちません。この現状をがある限り、正当な結婚によって永住権を取得したとしてもそれが「正当」であった事をのちに証明しなければならないのです。
この条件を取り除くためには、配偶者と一緒に移民局へ申請をしなければなりません。永住権取得の2周年となる日の90日前からその当日までの間にこの申請を行わなければならないのです。外国人登録カード(いわゆるグリーンカード)の有効期限がその日になっているはずです。万一、この日までに申請を行わなかった場合、あなたの永住権は失効となり、追放されることになります。もし、その配偶者とは既に離婚している場合、あるいは配偶者による暴力や、虐待を受けたりしている場合は、配偶者と一緒に申請することは免除受けることができ、永住権を取得した日から永住権の期限が切れる前ならいつでも申請が出来ます。またあなたの子が、あなたが永住権を受けた日から90日以内に同様の限定付永住権を取得している場合は、あなたの限定条件解除の申請と同時に、同じ申請をすることができます。その子の永住権取得が、あなたの取得日から90日以上たっている場合は、その子の条件解除申請は、あなたとは別個に行う必要があります。
条件解除の申請ができるのは次のようないずれかの場合です。
・永住権取得から2年後の時点でも同じアメリカ市民または合法な永住権保持者との結婚が続いている場合。
・結婚は誠実になされたものであり、あなたの配偶者が死亡した場合。
・結婚は誠実になされたものであるが、のちに離婚した場合、または結婚が無効になった場合。
・結婚は誠実になされたものであるが、あなたやあなたの子が、配偶者であるアメリカ市民または永住者により暴力を振るわれたり、はなはだしい困難にさらされている場合。
・限定付永住権の打ち切りがあなたにはなはだしい困難をもたらす場合。
・あなたが子であり、正当な事情から、親の条件解除申請と一緒に申請できない場合。
もし限定解除の申請を期限内に行わなかったら…
永住権取得の2周年となる日までにI-751(条件解除申請書)の提出をきちんとしなかった場合には、あなたの限定付永住権は自動的に終了となり、移民局は、あなたに対し、国外退去を命じることになります。移民局からあなたが限定解除に失敗した旨の通知が届き、同時に移民局の事情聴取に応ずるよう命令を受けることになります。その事情聴取の場で、あなたは自分の事情を説明することになります。規則に従って事情を証拠立てするのはあなたの責任であって、移民局はあなたが規則に従わなかったことを立証する責任はありません。もし移民局に対し、あなたが期限内に限定解除の申請を行わなかった正当な理由があると立証することができれば、その日から90日後までにI-751を提出することができます。移民局はあなたの申請を認可し、あなたの永住権を回復する自由裁量権を持っています。
共同申請の免除を取るには?
もしあなたの配偶者との共同申請ができない場合、どのようにしたら、共同申請の免除を受けられるのでしょうか?あなたは、複数の配慮すべき事情を訴えることができます。下記のような事情が免除の要請の理由となります。国外追放やアメリカからの出国があなたに極端な困難をもたらす場合あなたの結婚は誠実になされたものであり、移民法の抜け道として行われたものではなく、しかし結婚が無効、または離婚に終わり、なおかつ申請の遅延があった場合はそれがあなたの過失でない場合、あなたの結婚は誠実になされたものであり、移民法の抜け道として行われたものではなく、しかし結婚生活においてアメリカ市民や永住者である配偶者から、暴力を受け、あるいは極端に残虐な仕打ちを受けた場合で、なおかつ申請の遅延があった場合はそれがあなたの過失でない場合、グリーンカードはあなたが合衆国に永久的に居住し、働く権利を持つことを証明しています。I-751(条件解除申請書)を期限内に提出すれば、限定条件付きのグリーンカードは12ヶ月間延長され、永住者としての権利を保ちながら審査を待つことになります。申請状況をチェックするには、あなたの申請を受け付けた移民局にコンタクトしてください。問い合わせる際は、あなたの申請に関する特定の情報を移民局スタッフから聞かれると思いますので、あらかじめ答えられるように準備をしておいてください。また www.ins.gov でチェックすることもできます。
弁護士・デビッド・シンデル
http://www.swlgpc.com/
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