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2003/10/06
Vol.46  H-1B ビザニュース

2004年会計年度(2003年10月1日から2004年9月30日まで)のH-1Bの発給上限数が、ここ数年間の195,000件から、ほぼ2/3減少して、65,000件まで落ちることになります。ここまで上限枠が低くなると、2004年会計年度の終わりを待たず、H-1Bの発給枠が尽きてしまうことも予想されます。もしそうなれば、アメリカの企業及びその外国支店の労働者に大きな影響がでるものと心配されます。

この削減は、ここ数年間H-1Bの発給数を増やしていた、連邦条例が期限切れとなるためです。米議会がこの条例の延長を決定しない限り、この一時的な増加の期限切れと同時に、H-1Bに付随する条件の中で変更になるものが出てきます。

H-1Bの上限が65,000件に戻るとすれば、H-1Bで外国の労働者を米国で採用しようとしている、マネジャー、リクルーター及び人事部などは、この動向に充分な関心を向ける必要があるでしょう。また、他のビザ、例えばB, F, J, H-4などから2003年9月30日以降H-1Bへの変更を考えている外国人も、この枠減少の影響を受けることになります。

現在H-1Bで滞在しており、延長の手続きをしなければならない外国人は、H-1B枠の減少の影響を受けることはありません。また、高等教育に従事する公共機関、非営利の研究機関及び政府の研究機関での雇用を意図する外国人には、これまで同様、H-1B枠の適用を免除されます。
規制の対象について
J-1で滞在して、政府の健康関連機関を通じて、J-1終了後の自国滞在期間に関する条項の免除と交換に、その下部機関(HPSAやMUA)で働こうとする外国人が、9月30日以降、枠削減の影響を受けるかどうかは、法律上議論の余地があると思います。
他の変化について
枠の減少とともに9月30日にいくつかの変更があります。現在「H-1B依存企業」の雇用主は、労働局が、外部からのクレームを待たずに、H-1B規則違反で調査をすることを受け入れなければならないことになっているが、これは変更になります。

また、ほとんどのH-1B申請企業に課せられていた1000ドルのフィーも廃止されることになります。このフィーはアメリカ人労働者のトレーニングプログラムの援助に使われてきたもので、2001年会計年度には、この課徴金は2億1千万ドルに達していました。政府がこのように大きな歳入減を認めるとは考えにくく、議会が課徴金の徴収を決めることを期待しているものと予想されますが、10月1日までにそれができるとは思えません。従って10月1日からしばらくの間、1000ドルを払わないで済む期間が出来る可能性があります。
なぜこんな事態になったのか?
議会は、1990年に毎年のH-1Bビザ発給数の上限を設定しました。最初は、毎年65,000件の上限が設定されましたが、その後、1990年代後半の経済好況を受けて1997年、1998年、1999年及び2000年に、年度末を待たずに、上限数に達してしまうという事態が起こりました。その会計年度分のH-1bの発給が上限数に達した時点でストップしてしまうのですから、その後のH-1B申請は次年度が始まるまで待たねばならず、合衆国の経済に少なからぬ影響を与えることになりました。この問題を軽減するため、議会は1999年、2000年のH-1b発給上限数を115,000件に増加、続いて2001-2003年については195,000件への増枠を決定しました。但し、その際に2003年10月1日には枠を元の65,000に戻すことが決められたというわけです。
L-1関連の新しい条例について
議会が提案しようとしているL-1ビザカテゴリーへの変化を、以下に紹介します。この法案がこのままの形で議会を通過するとは思っておりませんが、議会が考えている新しい方向についてのご理解を深める一助にしたいと思います。

L-1変更条例は、アメリカ人労働者を保護する機能を持つH-1Bを使用するのがより適切であるケースに、L-1ビザを使用しないようにするものです。新しい条例では、専門知識を持つ外国人労働者は、まず最初に申請企業によりチェックされ、次に、申請企業と第三者企業との間での製品・サービスの交換に関連して準備されるべきであるとしています。これにより、一ヶ月に一度、該当外国人の給与明細票だけを切っているコンサルティング会社が、米の製造業に外国人労働者を送り込んでくるようなやり方をやめさせることを目的としています。外国人労
働者の供給などといった契約以外の結びつきが、第三者と申請企業との間になければならないとするものです。

また、新条例では、L-1での異動を行う前の少なくとも一年間は、派遣したい労働者を雇用していることが必要となります。さらに、条例では、国家安全省に対し、マネジャー及び役員の派遣と専門知識を持った雇用者の派遣に付き、それぞれの数字を分けて統計をとるように要請しており、一層正確な状況把握、及び詐欺行為の防止に役立つものと思います。
弁護士 デビッド・シンデル
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