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2004/02/17
Vol.53  2004年度H1-Bビザの申請状況の報告

2004年1月21日USCIS(移民局)は、2004年度のH-1B発給数の枠65,000件に対して、既に43,500件が申請されていると発表しました。総枠65,000件に対し、残りは21,500件という事になります。移民局においての2004年度は、2003年10月1日から始まり2004年9月30日に終わります。

USCISは、いつ残りの21,500件のH-1Bビザが無くなるかについて予測を明確にしておりません。今回の発表の後、申請者が急激に増え、その為にずっと早く枠が埋まってしまうかも知れません。現在のペースで申請が続いた場合は、2004年の4月頃までには枠が埋まる可能性があります。残枠が少ないと言う事実を基に申請のタイミング及び申請方法について考慮していかなくてはなりません。

こういう状況の下、プレミアム申請が一つの選択肢となります。以前の発表に従えば、申請が65,000件に近づいた場合にはプレミアム申請そのものが廃止されると言うことになっています。H-1Bへの身分変更を考えている人は、2004年10月1日より前に就労が必要な場合、雇用主と相談して、一刻も早くプレミアム申請するのが良いでしょう。枠の問題は、新卒の方、実習期間を終えたばかりの医者の方など、初めてH-1Bを申請する方々にとって深刻な問題です。
H-1B以外の選択
USCISの見解では、H-1Bを申請済みの場合、枠が埋まってしまっても新しく枠が利用できるようになるまで違法滞在期間とは算定しないとされてます。つまり、H-1B申請の審査結果が出るまでの間、アメリカ国内において合法的に滞在をして結果を待つことが出来るという訳です。とは言うものの、H-1Bが発給されるまでの間は、合法的に働く事が出来ないのも事実です。枠が埋まってしまった場合、2004年10月より前に就労する為には、他のビザの選択肢を考えなければなりません。
Oビザ
Oビザは、卓越した能力(“Extraordinary ability”)を持った科学者、芸術家、教育者、ビジネスマン、スポーツマン及びその人たちのアシスタントや、家族の為のビザです。Oビザの基本的な要件は、その職域のトップクラスに達していることです。Oビザ保持者は、申請書に記述したイベントやプロジェクトが終了するまで米国に滞在することが出来ます。最初の滞在期間は最長3年間まで、その後延長は一年間ずつ、いずれもそれらイベント等が終了するまで申請をする事が出来ます。

Oビザを申請する雇用主は、申請者について次のような要件を申請する必要があります:

要件:
1.重要な、国際的に認められた賞の受賞実績
2.次のことのうち少なくとも3要件を証明する書類
3.その分野で全国的或いは国際的に認められた賞(prize or award)を受賞
4.その分野で卓越した業績を挙げなければ入会できないような協会のメンバーであること
5.その個人の業績についての出版物
6.その分野での重要な科学的、学術的貢献、或いはビジネス上の貢献があること
7.専門誌或いは他の重要なメディアでの学術的著作があること
8.その分野で確立した名声を持つ、団体、機関に不可欠な要員として参加していること
9.高額な給料または報酬を得ていること
10.その分野の他の人たちの業績を評価するためのパネルに参加している、または個人としてそのような評価を下す審判員としての身分を有すること
Eビザ
申請者が日本人で、雇用主である企業がアメリカに実質的な売買または投資をしており、また、日本人か日本の企業がその企業の資本の大部分を所有している場合であれば、その会社の管理職又はその会社において特殊技能を兼ね備えた専門職としてEビザを取得する事が出来ます。但し、Eビザ申請を行うに当たり、新卒の方はその専門分野での知識と経験が不足している為、Hビザ申請より取得が困難な場合が多いのも確かです。その一方申請者が、新卒又は最近の卒業者で、プラクティカルトレーニングに従事しているか、していた場合には、米国滞在中に移民局に対しEビザへの身分変更を申請する事は可能です。この方法は、H-1Bを取得しようとしていた日本の会社にとっては絶好の選択と言えます。Eビザへの身分変更をプレミアム申請で行えば、15日以内に身分変更を行う事が出来るかも知れません。Eビザは認可された場合2年間アメリカで働く事が出来ます。但し、この方法の不利な面は、申請者が米国から離れようとしている場合、日本でEビザを取得しなければならないという事です。日本での申請には長い時間が掛かり(3週間から3-4ヶ月以上)、その間日本で申請の結果を待つ事になります。また、申請者が新卒の場合には、Eビザがアメリカで取得出来たとしても、日本の米国大使館・領事館でもビザが確実に取得出来るとは限らないという点です。従って、慎重を期するとすれば、先ず最初にアメリカでEビザを取得して、H-1Bの枠が再び利用出来るにようになるまでEビザで働き、その時点でEからH-1Bへ変更すると言うのがベストではないかと思います。2004年3月に枠がなくなり、2004年10月まで新しいH-1Bが発行されない場合を想像してみましょう。その人は7ヶ月間働くことが出来ないわけです。その間働けるようにする為のEビザへの身分変更は興味深いといえるでしょう。
L-1ビザ
もし、申請者が、アメリカ入国の前の3年間のうち1年間親元企業に勤めていたのであれば、L-1ビザが最適です。通常H-1Bを考えるケースであっても、親元企業または米国の子会社・関連会社についての特別な知識、技術を所有していた場合、又は管理職として従事していた場合、L-1ビザの資格がある事になります。
J-1或いはH-3
これもギャップを埋める方法です。F-1或いはプラクティカルトレーニング中からH-3やJ-1への身分変更は通常難しくなります。というのも、J-1及びH-3ビザはトレーニングの為のビザであり、申請者は既にトレーニングを積んでいるので、これから更にトレーニングをする必要は無いと判断されるからです。従って、プラクティカルトレーニングとは実質的に異なるトレーニングの内容で申請しなければなりません。一時的な解決方法としては、申請者はF-1からJ-1かH-3に身分変更して、トレーニングプログラムに参加、或いはトレーニングプログラムを作成する仕事に就き、訓練生として働く事でしょう。但し、J-1を申請するにあたり、スポンサーである非営利団体の殆どが3~6ヶ月以上母国に滞在している事を条件にしています。従って、アメリカ国内にてF-1からJ-1に身分変更手続きを行う事は難しいと思われます。尚、この方法の問題点は、J-1もしくはH-3ビザにおいて申請者はそのトレーニング終了後、自分の国へ帰ることが前提となっている為、H-1Bへの身分変更は矛盾と見做される事になるからです。しかしながら、会社がその人を一度日本に帰し、その後H-1Bを申請するというのならば、それを妨げる法律はありません。
弁護士 デビッド・シンデル
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