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2004/05/17
Vol.59  2005年度H-1b申請について

もうすでに皆さんもご存知のとおり、移民局は2004年2月18日時点で2004年度のH-1b枠が上限に達したため、2004年度中のH-1b申請を受け付けておりません。

我々は雇用主の皆さんに2005年度のH-1bビザ申請の計画を早々と進めることを強くアドバイスしてしています。なぜなら、移民局は2005年度の開始日である2004年10月1日以降に就労を予定しているH-1bビザの申請を2004年4月1日より受け付けているのですが、その2005年度H-1b枠が新年度の始まる2004年10月1日以前に上限枠に到達すると考えられるからです。

移民法ではH-1bビザによる就労が始まる最長6ヶ月前よりH-1b申請を行うことが出来るとなっているため、2004年10月1日かそれ以降のH-1bでの就労予定者は6ヶ月前の2004年4月1日以降より申請可能になっており、それらの申請は2005年度のH-1b枠内の申請として扱われます。

プレミアム・プロセッシング(1000ドルの追加料金を支払うことで通常よりも短期間で審査を受けられるという制度)を行わない通常の申請では恐らく今夏までは審査結果が出ることはないと予想されますが、移民局が2005年度のH-1b申請受付を終える前に申請がなされれば取得可能な審査の対象となります。現時点においては、プレミアム・プロセッシングを利用して申請すべきかどうかの予想は大変難しいのでが、確実に審査を短期間で受けられるという意味では大変有効な方法だと言えます。

今回、移民局はH-1bビザへステータスの変更を考えているFビザとJビザ保持者に対してはまだ言及しておりません。 FビザとJビザ保持者は一般的にI-94と呼ばれる滞在許可証に滞在期限日が記載される代わりに、"duration of status," or "D/S,"(“ステータスを保持している期間“)と記入されたI-94カードを受け取ります。つまり、それはビザのステータスが有効である限り滞在が可能という意味で、特定の滞在期限はありません。

通常、H-1bが上限に達した際、F-1ビザおよびJ-1ビザ保持者に対し、移民局はその裁量により、H-1bによる就労開始日まで、それぞれのビザステータスでの滞在期間を延長させる事が出来ます。例えば、1999年と2000年といえばH-1b上限枠に到達した年ですが、当時移民局では今回のような状況においてF-1ビザおよびJ-1ビザ保持者に対して、新規のH-1b就労開始までそれぞれのビザステータスでの滞在期間の延長を認めました。しかしながら、移民局は今年度のH-1b上限枠到達に対して同様の措置を行うかについては未だ通達がなく、また同様にH-1bの申し込み締め切りに関する通達も行っておりません。したがって、現時点では、今年度も1999年、2000年と同様の措置がとられるかについては、はっきりとは断言できません。

もし移民局でH-1bが認可はされても、今年の10月1日までの滞在許可が認められなかったとします。その場合のFビザ及びJビザ保持者にとって考えられる一つの方法としてBビザへのステータス変更が可能性としては残されているかもしれません。過去を振り返ると、B-1もしくはB-2へのステータス変更は、今回のような状況においても認められたケースはあります。その際、Bビザの取得には正当な目的を持って米国に滞在する必要があります。例えば、H-1bビザ取得が決定しており、雇用期間が開始する前にBビザの渡航目的(米国企業に関するリサーチを行なう、商談に参加する、等)に基づいてアメリカに滞在する場合などは正当な理由と見なされる可能性はあるでしょう。その反面、Bビザ取得には様々な問題があります。例えば国内においてBビザへのステータス変更の手続きを行なうと、プロセスが完了するのに約4ヶ月程掛かります。もし問題があった場合はそれ以上時間が掛かってしまい、結局は申請自体認可されません。 また、Bビザを取得する際に、H-1BビザやLビザとは違い、移民する意思があっていけないので、移民ビザを同時に申請している場合(例えば米国市民との結婚に基づき永住権申請を同時に行っている場合)もBビザへの変更は困難と言えるでしょう。 

非移民ビザで米国へ入国する人のほとんどが米国入国の際、I-94にはD/Sとは記入されず、I-94もしくは移民局より発行される認可証明( Approval Notice)に滞在期限が記載されます。一般的に申請者の滞在期間はI-94に記される有効期限をもとに決定されますが、もし申請者がI-94の期限日以前に正当なビザステータス変更の手続きを行なうのであれば、その日を過ぎたとしても米国での不法滞在とは見なされないでしょう。
弁護士 デビッド・シンデル
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