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2004/10/18
Vol.70  2005年度H-1B年間発給枠が上限に到達

米国移民局は10月1日(金)の夕刻、2005年度の新規H-1B申請の受付け締め切りを発表しました。10月1日(金)の移民局の業務終了以降に届いた新規のH-1B申請書についてはすべて申請費用とともに申請者に返却されることとなります。それに伴い、今回の新規のH-1B申請に間に合わなかった申請者は、現時点ではH-1Bの申請を行うとすれば2006年度(2005年10月1日~2006年9月30日)以降ということとなり、H-1Bの申請は6ヶ月前より可能なことから、その場合早くて2005年4月1日の申請ということになります。繰り返しになりますが、今回の発表は先週金曜日の夕刻に突然行われたものです。
2005年度のH-1B年間発給枠は65,000件で、そのうち米国が自由貿易協定を結んでいるチリ及びシンガポールの国籍の申請者に対して6,800件が割り当てられていますので、日本人を含めそれらの国籍以外の申請者に対しては58,200件が実質の年間発給枠となります。

ただし、この年間発給枠は新規のH-1B申請者に対して適用されるもので下記の項目に該当すれば移民局は引き続きH-1B申請を受け付けます。

・現在H-1B保持者として同じ雇用主で、その延長申請を行う場合
・現在H-B保持者として同じ雇用主で、雇用条件変更の申請を行う場合
・現在H-B保持者としてH-1Bを保持したまま別の会社への転職申請を行う場合
・現在H-B保持者として現在の職務と平行して他の職場での就労申請を行う場合

米国移民局は更に、新規のH-1B申請について、高等教育機関またはそれと関連する非営利団体に雇用される場合、または非営利研究団体あるいは政府の研究機関に雇用される場合は、H-1B年間枠の適用を受けないと発表しています。

この早々の新規H-1B締め切りに関し、皆さんはH-1Bの年間発給数の拡大を希望することと思います。今回のようにH-1B年間発給枠が年度の初日に上限に達してしまうというようなことはH-1B開設以来初めてのことです。そこでこの早い時点でのH-1b締め切りに関し、私達ができることは米国議会に対してH-1bビザの発給数の問題に対する解決策と共にこのビザの重要性を積極的に訴えかけることです。次に紹介するウェブサイトには既に参考の文章が書かれてあり、各自でそれを編集等することで簡単にオンラインでH-1bビザへの支援策を要望する手紙を米国議会議員へ直接送ることができます。
http://capwiz.com/aila2/mail/oneclick_compose/?alertid=5183421
 
私たちは皆さんにそこから米国議会に対してEmailを送ることを強く希望します。そうすることで米国議会が事の重要性を認識し、H-1B年間発給枠数の拡大に何かしらの支援策を講じる可能性が出てくるからです。仮に2006年度までH-1Bの枠数が増設されないとすれば、今回申請に間に合わなかった申請者に対して私たちは他のビザの可能性を探ることとなります。その可能性のあるビザについては次に紹介しますが、各自それぞれ状況が異なると思いますので、詳細な情報については専門家に相談することをお薦めいたします。
H-3ビザ
H-3ビザとは職業トレーニングビザで、その年間発給数はわずか3000件ほどです。しかしながら、もしあなたの最終的な目標が技能習得であり、そのトレーニング事態が雇用主に対して生産的雇用とならなければこのビザはたいへん有効と言えるでしょう。もちろんこのH-3ビザにも必要な条件を伴います。例えば、最高2年という有効期間で、自国では得る事が出来ないトレーニングあること、H-3ビザ受益者のトレーニングにより既に米国人労働者のポジションが損なわれないこと、トレーニングによる雇用が例外を除き生産的雇用であってはならないこと、またトレーニングにより習得できる昨日が自国で有効に活用できること等々が必要となります。また、雇用主側も、H-3ビザ受益者に対してもちろんそのトレーニング目的を明確にし、また勤務時間の設定、そのトレーニングの評価、そしてトレーニングする先生を決める等々、気をつけなければならない点も多くあります。特に注意すべき点は、F-1ビザなどでOPTを最大に使用した後のトレーニングの延長としてはH-3ビザを使うことができないという点です。そのような状況ではH-3でのトレーニング内容はOPTにて習得したトレーニングの目的とは関連していないトレーニングであることを証明しなければなりません。

このH-3でのトレーニングを終了した後は米国から出国し、トレーニングで習得した知識や経験を国外で生かすことが前提となります。一般的には日本にいる社員または新入社員などを米国の関連会社などで研修させ、帰国後に貿易部門に配置したい場合などに使われます。

もし排他的でなく既に持ち合わせている能力内でのトレーニングである場合など、移民局はそのトレーニング事態が生産的雇用とならないかについて申請を細部まで徹底的に調べることとなるでしょう。
Eビザ
もしあなたがF-1ビザのステータスにて現在、米国に滞在しているとすればEビザへのステータスの変更を移民局に対して行うことができるかもしれません。もし米国永住権もしくは米国市民権を持たない日本人か日本の企業があなたの会社の資本の大部分を所有し、そしてあなたの会社が日本と十分な売買または米国内に十分な投資をしていれば、その会社はあなたへのEビザ取得の条件を満たしていると言えます。更にスポンサーとなる会社に既にEビザ保持者がいるのであれば、話はより現実的です。しかし、あなた自身がEビザ取得への条件を満たしているかを証明しなければなりません。Eビザ取得者は管理職・役員職に従事しているかもしくはその会社に不可欠な専門能力を持っている必要があります。例えば一般的にアカウンティングのポジションというのは管理職・役員職と見なされないため、Eビザへの条件を満たしているかどうかは疑問です。もしあなたが日本の親会社もしくは同業他社でアカウンティングの仕事をしていたということであれば、その業界における専門的なアカウンティング能力を持っているとみなすことができるでしょう。

現実的に、ほとんどのEビザ保持者は親会社で管理職か専門職として従事していたことがありますが、移民法上、Lビザのように申請者に対し親会社からの派遣を必要とするというような決まった規定はありません。現実的には、たとえあなたが短期間プラクティカルトレーニングで働いていたとしても、あなたがその会社の親会社や同業他社で働いていた事が無ければ、その会社に必要不可欠な能力を保持している事を証明するのは非常に難しいと思います。手続き上は、一般的に在日米大使館・領事館よりも米国移民局のほうが本人の専門的な知識や能力を証明し易いです。ただもしあなたがビザスタンプ取得のために日本へ帰国するとすれば、Eビザスタンプの取得までに数週間から数ヶ月ほど日本に滞在する事になる恐れがあります。何故なら、先ず申請書類を事前審査の為に大使館もしくは領事館へ郵送で送り、その後大使館もしくは領事館から面接の予約を入れるよう指示を待ち、更には実際の面接を行い、その後Eビザ付きのパスポートが返送されて来るのを待たねばならないからです。
J-1ビザ
その他にはJ-1トレーニングビザがあります。これもトレーニングプログラム実施しているスポンサーが必要となり、H-3の申請が移民局に対して行われるのに対して、J-1ビザスタンプの申請は、非営利団体であるJ-1のスポンサーからDS-2019用紙を取得し、この用紙を他の申請書類と合わせて在日米大使館に提出することになります。J-1プログラムの有効期間が最長18ヶ月で、DS-2019フォームを取得するのに申請者及び雇用主はその特別プログラムの基準を満たさなければなりません。そのプログラムは、例えばマネージメント、ビジネス、エンジニア等の分野である場合が多いですが、研究員や教師のトレーニングもあり、また申請者はなぜトレーニングが必要なのか説明を予め用意し、企業はそのトレーニングについての細かい情報を提供すべきです。また、申請者はトレーニングが終了した時点での計画を述べる準備もしておくべきでしょう。トレーニングを受ける人はアメリカでのトレーニングのための滞在中は旅行及び医療保険に加入する必要があります。

米国内にてJ-1ビザへのステータス変更には4-5ヶ月かかります。従って申請者が米国外でJ-1ビザスタンプを申請取得するのが最も良いかと思われます。ただ問題となる点は申請に際し、J-1プログラム終了後に自国へ戻る意思がないと見なされた場合です。その場合、国務省の外交便覧(Foreign Affairs Manual)にあるSection
214(b)の適用により米国へ永住の意思があるとみなされ、申請は却下されることとなりますので注意してください。
弁護士 デビッド・シンデル
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