ビザアドバイス
2004/12/21
Vol.74 DV-2006プログラムについて
米国永住権抽選プログラム(DV-2006)への応募はすでに2004年11月5日(金)正午(東部時間)より始まっており、2005年1月7日(金)正午(東部時間)が締め切りとなっております。今回の申請は昨年同様、オンライン申請となっており、http://www.dvlottery.state.govにある申込書に必要事項を記入することとなっており、現在では従来の紙による申請はできません。
今年もDV-2006プログラムへの応募を考えている方々も多くいると思いますが、私たちは今回のDV-2006プログラムへの応募を予定している人はその応募が締め切りのぎりぎりにならないことを強くアドバイスいたします。昨年もそうでしたが、応募締め切り間近の特に最終週には多くの応募者が殺到するため、サイトが大変つながりにくくなることが予想されます。そのことにより、応募が遅れ、結果的に締め切りまでに応募申請が間に合わなくなってしまう可能性があるからです。
DV-2006に関しては、様々な条件がありますが、まず次に紹介する国々は過去5年において米国へ5万人以上の移民を送り込んでいるいるため、応募の資格がありません。カナダ、中国、コロンビア、ドミニカ、エルサルバトル、ハイチ、インド、ジャマイカ、メキシコ、パキスタン、フィリピン、ロシア、韓国、イギリス及びイギリス領土の地域、そしてベトナムです。ただし香港、マカオ、台湾生まれの人には応募の資格があります。
また、応募者は高校を卒業しているか又は同等の教育を受けている必要があります。もしくは過去5年において少なくとも就労には2年以上のトレーニングや経験を必要とする職業において、2年以上の職務経験をもっていることが条件となります。なお、米国労働省のO*Net OnLine の職業リストを利用して、自分の職務経験が条件を満たすかどうか判断することができます。 今回のDV-2006は昨年と同様、国務省管轄のケンタッキー領事センターにて処理が行われますが、当選者のうちビザ取得の条件を満たさなかったり、当選後のビザ取得までの過程を正当に追従しない人が出てくることもあるので、DV-2006が5万人に対して有効なのに対し、実際は5万人以上の当選者に対して当選登録通知書が送られます。しかしながら、このことは当選した全ての人に永住権が与えられるわけではないことも意味します。例えば米国に不法滞在している人が万が一、当選したとしても最終的にこのプログラムを通して永住権を取得することは不可能でしょう。当選者には2005年5月から7月にかけて番号が割り当てられた当選登録通知書が送られてくるのですが、その登録を済ませた人のうち、割り当て番号の数字の少ないほうから随時面接になります。その当選登録者に対する実際の面接は日本在住者であれば東京大使館で、米国在住者であれば、米国内もしくは日本での面接を選択することができ、実際には2005年10月初め頃から開始されることとなります。ただし、例外もあります。例えば米国での不法就労者や不法就労をしたことのある人などは米国内での面接によるステータスの変更は不可能ですので日本で面接を受けることになるでしょう。ケンタッキー領事センターによる当選登録者への面接の案内通知は、予定された面接日からさかのぼって4~6週間前がおおよその目安になります。永住権発給に関してはその発給数が許す限り、毎月発給されますが、5万人に永住権が発給された時点でこのプログラムは終了となります。今回のDV-2006についても2006年9月頃までにはその発給も終了するものと思われます。最後に米国内でのF-1ビザ保持者によるDVプログラムの応募は永住の意思があることを示すことになるため違法ではないかと良く聞かれることがあります。この件に関しては法的には様々な解釈がありますが、抽選にて当選者を選ぶというDVプログラムの本質からして、結果的にはF-1ビザ保持者のDVプログラムへの応募は問題はないでしょう。
弁護士 デビッド・シンデル
http://www.swlgpc.com/
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